狼将棋のブログ

1年前の記事が「平成最後の年末」だったので今回はこれで。

今年書いた記事を見返していたら、1月に目標を2つ立てていたんですね(すっかり忘れてた)。「玉を取られない」「脳内将棋盤を鍛える」。前者は無事に達成、後者はどこまで鍛えられたか分かりませんが、詰将棋を脳内で解くのは細々と続けています。多少は効果があったのか、夏以降はR点もまあまあ安定した状態を維持できていました。

生活的には公私を分けたときに「私」はともかくとして「公」の部分はかなり充実感があって、あっという間に1年が過ぎたという感覚です。私生活をせめてもうちょっと充実させられないものか><

プロ棋界は「渡辺・豊島時代」の雰囲気でしたが、永瀬先生も一気に二冠を獲得、そして木村先生の悲願の初タイトルもありましたね。昨日には本田先生のタイトル初挑戦と藤井(聡)先生の王位戦挑決リーグ入りも決まりました。来年の王位戦は木村vs藤井戦が見たすぎる。そして羽生先生をもう一度タイトル戦の舞台で見たいという方も多いと思います。
女流のほうでは西山さんが一気に三冠まで駆け上がって、あとは奨励会の三段リーグで結果を残せるかどうかというところ。里見さんもここから再び貫禄を示せるかに注目ですね。


今年も一年間ありがとうございました。来年が自分にとっても皆様にとっても良い一年になりますように。

R点に関してはまあまあ安定中です。ラッキーが続いたりして2400点近くまで上がると「自分がここにいていいんだろうか」感が押し寄せてくるので、まだ六段がどうこう言える段階ではなさそうですね。

タイトル通りのコーナー。やっぱり銀冠で居飛穴をやっつけるのが一番の快感です。普段はさんざん「穴熊の暴力」を受けているわけで、たまにはこういう「穴熊に暴力」な将棋があってもいいじゃないかというわけです。



これが高美濃だと端や3筋が薄くて自玉にもプレッシャーがかかりやすいところ、銀冠だから思う存分襲い掛かることができています。コーナーが続けばいいなあ。

木村王位の誕生は感動的でしたね。タイトル挑戦は7回目、「勝てばタイトル」は9局目。「百折不撓」の言葉がこれだけ似合う方もなかなかいないと思います。木村先生を特別推しているわけではない自分でも感動したので、木村先生をずっと応援してこられた方々は言葉にならない思いがあるかと思います。来年の王位戦も楽しみです。

「百折不撓」は振り飛車党としても見習わなければいけない姿勢かもしれません。戦法の性質上、粘り強さと最後まで諦めない姿勢は特に求められると思うのです。

【第1図は▲3一竜まで】
後手:亀
後手の持駒:角 金 桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v金 ・ ・ ・ 龍 ・ ・|一
| ・v玉v銀 ・ 杏 圭 ・ ・ と|二
| ・v歩v歩v歩v金 ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 金 ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 銀 玉 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・vと ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:飛 角 歩四 
手数=73  ▲3一龍  まで

後手番

24で指した将棋から。▲3一竜と指されて後手玉は詰めろ、先手玉はまだ詰みません。ここは△5七角が詰めろ逃れの詰めろで後手有望だったようですが華麗にスルー。受けるにしても△6一桂と一枚使うのでは勝ち目がないと判断し、実戦は△6一銀!とオシャレに受けました。▲同成香なら瞬間的に後手玉はゼット、▲同竜は飛車が入れば先手玉が詰むので無効、という仕掛けです。実際は▲同成香でも先手玉に詰めろが続かず先手勝ちになるようですが、実戦心理として選びにくさはあるかもしれません。実戦は第1図から△6一銀▲6九玉△5七角▲7九角(第2図)と進みました。

【第2図は▲7九角まで】
後手:亀
後手の持駒:金 桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v金v銀 ・ ・ 龍 ・ ・|一
| ・v玉 ・ ・ 杏 圭 ・ ・ と|二
| ・v歩v歩v歩v金 ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 金 ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩v角 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 銀 ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 角 玉 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:飛 歩五 
手数=77  ▲7九角  まで

後手番

△5七角で流れが来たかと思ったのですが、▲7九角がぴったりでやはり厳しい形勢です。
ここで秒読みの中、△6六桂▲同歩△4六角成▲同角△6七金、という順が浮かびました。教科書通りの上から押さえる寄せで、ちょっと細そうだけど△5二金で一枚補充もできるし、負けてもこれで勝負するしかないかな、と考えます。

で、秒に追われながら△6六桂▲同歩と捨てたところで気付いてしまいました。△6七金って詰めろでも何でもないやないかーい!

詰めろにすらなっていないのでは話になりません。第2図からの手順は△6六桂▲同歩△4八角成▲7八玉(第3図)

【第3図は▲7八玉まで】
後手:亀
後手の持駒:金 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v金v銀 ・ ・ 龍 ・ ・|一
| ・v玉 ・ ・ 杏 圭 ・ ・ と|二
| ・v歩v歩v歩v金 ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ 金 ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 銀 玉 ・ ・v馬 銀 ・ ・|八
| 香 桂 角 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:飛 桂 歩五 
手数=81  ▲7八玉  まで

後手番

△4八角成はもう大反省して泣きながら指しています。△6六桂▲同歩△4八角成という手順、相手は「なんかアホなことやっとるwww」と思ったのか「な、なんだこの曲線的な手順は!?」と思ったのか定かではありませんが、たぶん前者なのでしょう。▲7八玉は△6七金の縛りを防いで冷静です。

自玉が一瞬だけ安全、ということ以外は何もかもが絶望的な第3図ですが、「もし、こう進んでくれれば逆転しそうだなあ」という順が1つだけふっと浮かびます。そして驚いたことに、その順はそっくりそのまま実現してしまうのです。

第3図以下△5二銀▲同成桂△同金▲4一飛△5一歩▲4四飛成△6六馬(第4図)

【第4図は△6六馬まで】
後手:亀
後手の持駒:金 桂 香 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v金 ・v歩 ・ 龍 ・ ・|一
| ・v玉 ・ ・v金 ・ ・ ・ と|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・ 龍 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩v馬 ・ 金 ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 銀 玉 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 角 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:銀二 桂 歩五 
手数=88  △6六馬  まで


▲4四飛成と銀を取ったのが、文字通りの「毒饅頭」でした。▲4四飛成を見た瞬間、ノータイムで△6六馬!ただのプレゼントになるはずだった△6六桂の捨て駒が、まさかこんな形で活きてしまうとは。大逆転が起きる時は得てしてこういうものなんですね。第4図以下は▲4一竜上△6七金▲6九玉△5七香で勝ちとなりました。投了図は飛車+金駒一枚分のすさまじい駒損なんですが、遊び駒が一枚もなくて駒効率で大差をつけている、という振り飛車の理想的な局面になっています。そこまでの過程は別として・・・。

最善手ではありませんでしたが自玉をゼットにしてプレッシャーをかける△6一銀、そして△6六桂のポカにもめげずに最善を尽くしたのが大逆転に繋がったと思います。木村先生のような泥臭く粘れる将棋を目指したいものです。

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