中盤の課題を見つけるということは、ある意味自分の将棋に真剣に向き合うということです。今まで感覚的に捉えていたところだけに、それを言語化出来れば一番理想的ですね。これは自分だけだとなかなかわからない部分だと思うので、対局の棋譜を亀さんに見ていただくことにしました。




この将棋の対局後も自分なりに感想戦はしたのですが、時間が無い等の理由で、なぜ負けたのかイマイチはっきりしていませんでした。他の将棋もそうですが、敗因がすぐには明らかにならない将棋って、よくわからないまま放置されることが多いですよね。自分より強い人に見てもらうことで敗因や足りない部分が少しわかった気がします。そして中盤ではどのように指せばいいのか、が何となく見えてきました。


形勢判断と指し手の方針

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仕掛けが終わったところ(上図)では、先手(久住)が桂得でやや優勢です。ただ玉の堅さは先手の方が薄く、潜在的な攻めスピードでは後手が上なので、攻め合っても負けることが多いはずです。終盤になるほど、玉を寄せるのに必要な戦力が先手、後手どちらにも十分に溜まっていくため、駒の損得とか関係なしにスピード勝負で決まってしまうからです。

中盤では、このようなことを形勢判断の知識として知っている必要があります(これはどちらかというと経験から得た考え方寄りの知識で、かなり主観に依存する部分なので、上で書いたことは間違っている可能性もあります。四段くらいの一将棋指しはこう考えているくらいに思っていただければと思います)。そして形勢判断の知識に沿って、これからどう指していくのか方針を決定します。終盤になるほど駒の損得が関係なくなるのなら、(すぐには)終盤にしなければいいのです。ある程度守りの手を入れて、相手のスピードを緩めるような曲線的な手を指すようにします。

一直線に攻め合う(駒を渡し合う)のはまずい → どこかで守りの手を入れて、相手のスピードを緩める必要がある


具体的な指し手に落とし込む

方針が決まったら、その方針を具体的な指し手(の流れ)に落とし込む必要があります。自分の場合、ここが出来ていないことが多いようです。方針は感覚的にわかっていても、それが指し手に反映されていなければ意味がありませんね。はたしてどの部分が悪かったのでしょうか。

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上図では、本譜は▲5四同歩としましたが、完全に方針通りに行くなら▲5六銀とするところです。これは全部凌いでやるという手ですね。ただ、▲5四同歩でも善し悪しは何とも言えず、棋風によって分かれるところでしょう。

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上図では、▲5七香と受けてしまいましたが、▲5六歩と普通に受けておけば何でも無かったようです。香車で先手を取ろうとするよりも、相手に駒を渡さないように指すべきでした。本譜は、この辺りから方針を変更し攻め合いに出てしまったため、打った香車を歩で取られてしまい、さらには桂まで渡すことになり、やはりスピードで負けてしまいました。

方針は頭ではわかっていても、具体的な指し手となるとなかなか難しいものです。やはり実戦を多く積みながら、しっかり検討して一つ一つ理解していくことが大事なのでしょうね。

実は▲5七香を打ってしまった後もまだ先手やや優勢で、亀さんに素晴らしい順を示していただいたのですが、それはまた次回で。

 
まとめ

1.形勢判断から局面に応じた方針を定める
2.方針に沿った具体的な指し手(の流れ)を指す


中盤の課題候補1:方針に沿った具体的な指し手を指すこと