冬ですね。北国なので早くも雪が降っています。こんな日は、少し暑いくらいに暖まった部屋の中で冷たい飲み物を飲むのが至福の過ごし方です。「夏に冷房ガンガンの部屋で毛布に包まって寝る」の逆バージョン。皆様も暖かくしてお過ごしください。
今回は最近指した実戦の中から、かっこいい手を特集。実際には現れなかった変化手順中のものも含みます。
まずは24で指した将棋から。第1図、こちら(後手)の玉にとって6九の香が唯一の脅威ですが、7二の銀や4二金・4一歩のバリケードの存在でかなり詰まされにくい形に見えます。実戦はここから▲3六金△4七成桂▲6三歩△3七桂成までで勝ちとなり(以下▲1八玉に△2九銀からの詰み)、自分の中では一局を通して会心に近い内容と思っていました。
ところが局後、技巧先生に第1図の局面を見せると、▲4八飛と角を取って先手勝勢の判断。対して△同成桂の局面(変化1図)はなんと後手玉が詰むというのです。詰みがあると言われれば消去法で見えるかもしれませんが、実戦ではかなり見えづらい手だと思います。
変化1図からは▲4一竜!(変化2図)が強烈な一手。
▲4一竜に△同金なら▲6二香成△同玉▲4四角△5三香▲同角成△同玉▲4四角以下の詰み。▲4一竜に△6一銀打や△6一飛と合駒しても▲6二香成△同玉▲4二竜からやはり詰みます。これなら例え詰まされたとしても「いいものが見れた」という心境になりそうなカッコ良さです。
続いては、きらりさんとの練習将棋から。第2図、こちら(先手)の玉はまだ詰めろではありませんが、後手玉も捕まえにくそうな形の上に金駒を渡すと自玉が詰めろになるという制約付き。しかし、少し前の局面から「勝つとしたらこの手を実現させるしかない」と狙っていた手がありました。寄せの手筋本などでは頻出の筋です。
第2図から▲8二銀!(第3図)と放り込むのが退路封鎖の手筋。
第3図から△8二同金は▲5二金からの詰み。本にはよく載っていますが実際に指せる機会はそうそうないということで、印象に残りました。ちなみに局後の感想戦で、▲8二銀に△7一金と引かれて余されている可能性に気付いたのですが、それにはじっと▲3三桂成で飛車を取った手が詰めろ(▲7一銀成で、△同玉は▲6一金、△同銀は▲6二金以下)で先手が指せているようです。
・・・と、ここまでが当時の結論だったのですが、改めて第2図を技巧先生に見せたところ、最初の推奨手は単に▲3三桂成でした(▲8二銀を一回入力してから戻すと▲8二銀推奨に変化。ドヤッ)。対局中は「飛車取っても後手玉はゼットだし、詰めろをかけるなら▲8二銀しか手段がない」と思っていたのですが、飛車を取った手が驚愕の筋で詰めろになっていたのです。仮に第2図から▲3三桂成△2七桂成(変化3図)と進んだとして、後手玉の詰みを考えてみてください。
正解は▲7三桂不成!
対して△7一玉は▲6一飛以下。取り方は3通りありますが、△同銀は5一への利きがなくなるので▲5一飛。△同金は6二への利きがなくなるので▲5二金△7二玉▲6二金。△同桂は8一に空間ができるので▲5二金△7一玉▲6一飛△8二玉▲8一金(最初に▲8一飛から入っても詰みます)。こんな作ったようなピッタリの手が存在するなんて、と感動を覚えるレベルです。
そんなこんなで、将棋って色んな手があるんだなあ・・・と改めて思うのでした。
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