明けましておめでとうございます、今年もどうぞ宜しくお願いします。年末年始は24で指しまくりのR点も落ちまくりでしたが、最近は反省して対局ペースもR点も落ち着きつつあります。変なスイッチが入ったのか先月だけで80局近くも指しており、これだけハイペースで指したのはいつぞやのリレー前の時期以来でしょうか。


さて、新年早々に小難しそうなタイトルにしましたが実際はただの雑感みたいなものです。

きっかけが何だったのかは忘れましたが、最近、端歩に関する価値観が1つ大きく変わりました。ちなみに以前の考え方は、

対抗型・・・玉側は何も考えずに突いておく。反対側はケースバイケースで、他に価値の高い手があれば省略するけど、▲9七角(△1三角)や▲9七桂(△1三桂)とできるメリットも案外無視できない。

相振り・・・端が弱点になりやすい美濃や穴熊の玉側は突かない。矢倉や金無双は端だけでは潰れにくいので突くのもアリ。相手の玉側は、中央で手が遅れる等の事情がなければ突いておきたい。

という感じでした(あくまでも一個人の考えです)。そして価値観の変わった部分というのが、対抗型の時の玉側、もう少し細かく言うと「対居飛車急戦における玉側の端歩」についてです。これまでは「何も考えずに突いておく」だったのが、「相手から突かれたら自分も突くけど、相手が突いてこなければ自分から突くことはしない」というものに変わったのです。
【第1図は▲5九角まで】
後手:相手
後手の持駒:歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・v金v銀v玉v角 ・|二
|v歩v飛 ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・v銀v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 桂 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 銀 歩 歩 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ ・ 歩 歩 歩|七
| 香 ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| ・ ・ ・ ・ 角 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:kame1223
先手の持駒:なし
手数=57  ▲5九角  まで

後手番

端歩を突かないことが特に活きやすいのが第1図のような形です(居飛車側は棒銀、形は一部違うけどだいたい定跡形)。振り飛車側は左桂を6五まで跳ねていることが主張点ですが、この桂は質駒になっているという側面もあります。そして居飛車側に桂が渡ると、この戦型ではほぼ間違いなくとんでくるのが端攻め。

ところが第1図は1筋の突き合いがないので、居飛車側の切り札とも言える攻め筋を1つ消していることになるのです。稀に振り飛車側から端攻めをするケースもありますが、そもそも玉が端に近いのは振り飛車側だし、端攻めをする頻度も全く違うので、「相手から端攻めされない」ことの恩恵が大きいのは圧倒的に振り飛車側と言えるでしょう。もちろん、端を突かないことで玉が狭くなる、1五桂のような手が生じる、といったデメリットもありますが、それはお互い様。そう考えると、端の突き合いがないほうが振り飛車側にとって得なのではないか・・・と思えてきたわけです。

もちろん、居飛車側から△1四歩と突かれて受けずに△1五歩と伸ばされてしまうとデメリットが大きすぎるので(結局端攻めも生じてしまうし)、相手から突かれたら自分も突く、ということになります。


以前はプロ棋戦の携帯中継などで「この場合は端歩の突き合いは先手が得」のような解説を見ても「こまけぇこたぁいいんだよ!!(AA略)」状態でしたが、こうして突き詰めて考え始めるとなかなか深いテーマだな・・・と思うのでした。雑感おわり。