昨日今日と今年2回目の東京へ行ってきました。今回もやはり「将棋めし」の聖地巡礼・・・ではなくて、今回は将棋の大会、しかも団体戦への参加が目的。一緒に参加したのはみきさんとしまさんです。
2年ほど前にも一度、狼・大生の混合メンバーでリアル団体戦に出場したことがあったのですが、その時自分は参加できず。今回ようやく参加する機会に恵まれました。みきさんとは今回が初対面でしたが、まあ実質的には長年の付き合いがあるので初対面感もほぼナシ。しまさんとは何年か前に一度、ものすごいサプライズ(やられた側)でお会いする機会があったので、人見知りの自分でも安心なメンバーでした。
大会は1チーム3人の団体戦で持ち時間15分の秒読み30秒、勝敗が同じチーム同士を当てていく「スイス式トーナメント」で5回戦まで指すというルール。勝敗に関係なく必ず5局指せるというのは嬉しい側面もあるし、負け続けて心が折れようとも体力が尽きようとも5局は指さなければいけないというハードな側面もあります。
チームのオーダーは事前には特に決めず、当日の雰囲気で決めようということになっていたのですが、結局「じゃんけんで勝った順に大将→副将→先鋒と並べる」ことに決定。じゃんけんの結果、大将しまさん、副将亀井、先鋒みきさんの並びになりました。
とりあえず自分の将棋をさらっと振り返り。棋譜は後から思い出して再現したもので、めちゃくちゃ間違ってるということはないはずですが、細かい配置や手順は少し違っている可能性もあることをご了承ください。
2年ほど前にも一度、狼・大生の混合メンバーでリアル団体戦に出場したことがあったのですが、その時自分は参加できず。今回ようやく参加する機会に恵まれました。みきさんとは今回が初対面でしたが、まあ実質的には長年の付き合いがあるので初対面感もほぼナシ。しまさんとは何年か前に一度、ものすごいサプライズ(やられた側)でお会いする機会があったので、人見知りの自分でも安心なメンバーでした。
大会は1チーム3人の団体戦で持ち時間15分の秒読み30秒、勝敗が同じチーム同士を当てていく「スイス式トーナメント」で5回戦まで指すというルール。勝敗に関係なく必ず5局指せるというのは嬉しい側面もあるし、負け続けて心が折れようとも体力が尽きようとも5局は指さなければいけないというハードな側面もあります。
チームのオーダーは事前には特に決めず、当日の雰囲気で決めようということになっていたのですが、結局「じゃんけんで勝った順に大将→副将→先鋒と並べる」ことに決定。じゃんけんの結果、大将しまさん、副将亀井、先鋒みきさんの並びになりました。
とりあえず自分の将棋をさらっと振り返り。棋譜は後から思い出して再現したもので、めちゃくちゃ間違ってるということはないはずですが、細かい配置や手順は少し違っている可能性もあることをご了承ください。
●1局目
先手番で相振り。
【第1図は△4四歩まで】
第1図、囲いは完成しているし後手からは次に△4五歩と伸ばす手の価値が高いので、善悪は別としてもこの瞬間に行くしかないだろうと判断。▲7三歩成△同桂▲9三桂成(取れば▲7四歩の狙い)という、ありそうななさそうな手順で踏み込みました。対局中はあまり自信が持てなかったのですが、ソフトは先手有利を示していました。その後も形勢判断の難しいねじり合いが続きましたが、ソフト的には終始リードを保てていたようで結果的には快勝。
【第2図は▲3四金まで】
投了図。色々あって6八に金がくっつきましたが、この金無双なら王様も安心ですね。チームも2-1で勝って上々のスタート。
●2局目
再び先手番で、今度は▲四間飛車vs△居飛車穴熊の戦型。中盤、相手の駒組みの不備を突いた仕掛けでややリードを奪います。
【第3図は△6二銀まで】
第3図は5三の銀を引いて7筋を受けられたところ。この△6二銀はいかにも辛い格好の手で、対してこちらは▲9七桂~▲8五桂のようにイケイケムードで指せば問題なかったのですが、次に△5五歩と突かれるのを気にして指した▲6六銀が疑問。対局中も「さすがに感触悪すぎる手だよなあ」とは思いながらも△5五歩を消して手堅く指したつもりだったのですが、すかさず△4五歩と突かれて内心「やっちまった・・・」。どこかで△4五歩と突かれる手はあるかもしれない、と意識の片隅に置いておいたはずなのに、▲6六銀を上がる瞬間だけはそれが抜け落ちてしまっていたのでした。
ただ幸いにも、△4五歩の局面をソフトに見せるとまだ先手有利の判定。対局中も読み進めていくうちに「はっきり劣勢というほどにはなっていないかも・・・?」という感触になっていました。△4五歩以降、評価値上では微妙なところを揺れ動いていましたが、終盤の入り口で秒読みに追われた相手に決定的な悪手が出てこちらの勝ち筋になります。
【第4図は△1二香まで】
第4図、こちらも30秒の秒読みでしたが、どうにか寄せの道筋を発見できました。
▲4二銀△7九角成▲3三銀不成△1三香▲2二銀打(第5図)
【第5図は▲2二銀打まで】
▲4二銀がぴったりの決め手。第5図以下は△2二同金に▲3一飛と打てば何を合駒しても詰んでいます。チームとしても2連勝。
●3局目
後手番での四間飛車。相手は再び穴熊模様でしたが、藤井システム調の仕掛けを警戒して▲9八玉型の「串カツ囲い」に変化しました(こっちは仕掛けるつもり全くナシだったので、時間を使ってもらったことと合わせて内心ニヤリ)。
お互いに仕掛けの難しい展開になりましたが、相手が先手番ということで意を決して仕掛けてきての第6図。
【第6図は△2四同歩まで】
まだ中盤の入り口ですが相手は既に秒読みで、こちらも残り2~3分ほど。ここで相手が時間ギリギリまで迷って▲1二香成と指そうとしたのですが、着手が間に合わずまさかの時間切れ。対局中の感触も実際のソフトの評価値もやや後手寄りといったところでしたが、もちろん実戦的にはまだまだこれからの勝負だったでしょう。
やや複雑な結末ではありましたが、しまさんとみきさんが2人とも勝ってくれたのでチームとしては文句のつけようがない3連勝です。
●4局目
先手番で相振り。
【第7図は△4五銀まで】
第7図は△4五銀とぶつけられたところ。素直に▲4五同銀△同歩は相手の言いなりなので気が進まないところで、ここでは強く切り返す順があります。
第7図以下▲3五銀△2五飛▲4五銀△同歩▲4四銀打(第8図)
【第8図は▲4四銀打まで】
▲3五銀△2五飛を利かしてから▲4五銀と取れば、△4五同歩には▲4四銀打、△3五飛には▲3六銀打として押さえ込むことができます。3五に出た銀はもともと2八の地点にいたもの。この銀が「壁銀」として残ったまま負けてしまうのが金無双としては最悪中の最悪で、逆に言うとこの銀さえしっかり活用してあげられれば、金無双は巷で言われているほど(?)弱い囲いではないと思っています。
さらに進んで終盤戦。
【第9図は△7六角まで】
結論から言うと△7六角は詰めろになっていないので(2八の銀を活用したおかげ!)、▲6一銀と詰めろをかけておいて明快な一手勝ちです。ところが秒読みの中で「たぶん詰めろっぽい!」と盛大に勘違いし、本譜は▲3九金。対して△5二歩が上手い勝負術(実際にはそこで▲7一銀△同金▲同馬△同玉▲6三金で勝ちだが、たった今▲3九金を指した人間に指せるわけがない)。▲5二同馬と取って後手玉が瞬間的にゼットになってしまい、以下△4九銀▲2八玉△3八銀打・・・とラッシュをかけられて生きた心地のしない展開です。それでもまだ逆転に至っていなかったというのは幸運としか言いようがなく、最後は相手玉の簡単な詰み筋を5回も6回も慎重に確認して詰まし、個人としてもチームとしても望外の4連勝となりました。
●5局目
またまた先手番での相振り。前局あたりからかなりスタミナが切れかかっていたのもありますが(言い訳)、序盤に漫然と駒組みしていて気付いたらひどい作戦負け模様に。
【第10図は△2四歩まで】
こちらはプラスになる手がなく、相手だけどんどん形が良くなっていく、という状況です。時間も一方的に使わされている中、第10図で「もうどうにでもなれ」と成算の持てないまま仕掛けます。
▲9五歩△同歩▲6四歩△同歩▲6五歩(第11図)
【第11図は▲6五歩まで】
第10図の少し前に相手が3一の角を5三に上がっていたので、6筋の継ぎ歩攻めが一つの筋としては浮かんでいました。しかし、いかにも「攻めさせられている」流れだし6筋は相手の一番堅い場所だし、理屈としては手になるはずがありません。第11図の局面でソフトが示したのは△5五歩▲同銀△同銀▲同角△5四銀という順で、確かにこうなると先手が辛そうですが、△5五歩はわざわざ攻めを呼び込む感じもあるだけに人間には見えづらいところかもしれません。
実戦は第11図で△6三金直としてきましたが、これは当たりが強くなった面もあり先手の得でしょう。以下は命懸けで攻めていった気合いが通ったのか相手の弱気な対応もあり、攻めが完全に繋がって勝ち筋になりました。
【第12図は△5六歩まで】
第12図は最終盤。形勢自体はド必勝なのですが相手も決め手を与えないように粘っていて、秒読みということもあり精神的にはかなり焦っていました。ここでの一手はちょっと印象に残っています。
第12図で秒に追われながら指したのは▲3九銀。別に妙手でもないし最善手でもないのですが、焦りながらもこういう手が指せたのは、団体戦という状況だったからなのかもしれません。先ほども出てきた、「金無双の壁銀が残らないように活用する」一手です。以下△5七歩成▲同金直と進んだときに自玉の安心感が段違いですし、5筋の歩が切れるとこちらも▲5四歩と打てるようになるのが大きいのです。良く言えば勝ち急がずに、悪く言えば「鈍足の寄せ」ですが、どうにか勝ち切ることができました。しまさんとみきさんは惜しくも敗れてしまい、チームは4勝1敗という最終結果でした。
個人的には、実力の9割~10割近くは出し切れたという感触です。とは言え第3図からの▲6六銀、第9図からの▲3九金のような悪手もところどころあったのですが、いずれも致命傷にはなっていなかったという運の良さもプラスされての結果だったかなと思っています。
・・・まあ、結果云々という以前に、やはりリアルに盤を挟んで指す大会、それも団体戦というのは最高に楽しいものです。大会も団体戦も久しぶりだったので緊張感は少なからずありましたが、とことん将棋を楽しみ尽くす機会をいただけたことに感謝です。
※追記
大会の参加賞として、全員が一冊ずつ棋書をいただくことができました(成績上位のチームから順に好きなものを選べる)。最新形の将棋に関する棋書も多く、自分にとっては「猫に小判、豚に真珠」的なラインナップでしたが、とりあえずこちらをありがたくいただきました。

(追記ここまで)
大会終了後は居酒屋に移動して打ち上げ。途中で仕事終わりのきっどさんも駆け付けてくれて(きっどさんもお会いするのは初めてだったけどやはりそんな気がせず)、のんびり雑談しながらおいしいお酒を味わいました。二次会はカラオケボックスに場所を移し、歌は一切歌わずに大会の棋譜を検討したり、リレー将棋(飛車角反転バージョン)を指したり。あっという間の楽しい一日でした。
改めまして、一緒に参加してくださったしまさんとみきさん、そしてお忙しい中打ち上げに来てくださったきっどさん、ありがとうございました。
・・・とりあえず日曜のうちに急いでまとめてみました。おそらく大生将棋生存報告のほうでも詳細なレポートがあがると思うので、ぜひそちらもご覧ください(流れるような宣伝)。
※12/25追記
しまさんのレポートがアップされました。
先手番で相振り。
後手:相手 後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一 | ・ ・v金v玉v金 ・ ・ ・v香|二 |v歩v歩 ・v歩v銀 ・v桂v歩v角|三 | ・v銀 歩 ・v歩v歩v飛 ・ ・|四 | 歩 桂 ・ 歩 ・ ・ ・ ・v歩|五 | ・ 歩 ・ 角 銀 ・ ・ ・ ・|六 | ・ ・ ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七 | ・ ・ ・ ・ 金 金 玉 銀 ・|八 | 香 ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:なし 手数=54 △4四歩 まで
第1図、囲いは完成しているし後手からは次に△4五歩と伸ばす手の価値が高いので、善悪は別としてもこの瞬間に行くしかないだろうと判断。▲7三歩成△同桂▲9三桂成(取れば▲7四歩の狙い)という、ありそうななさそうな手順で踏み込みました。対局中はあまり自信が持てなかったのですが、ソフトは先手有利を示していました。その後も形勢判断の難しいねじり合いが続きましたが、ソフト的には終始リードを保てていたようで結果的には快勝。
後手:相手 後手の持駒:角 桂 歩三 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ | ・ ・ ・v銀v香 ・ ・ ・ ・|一 | ・ ・ ・ 龍 ・ ・ 銀 ・v香|二 | 圭 ・ ・ ・ ・ 銀v桂v歩v角|三 | 歩 ・ ・ ・v歩v歩 金v玉 ・|四 |v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|六 | ・ ・ ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩|七 | ・ ・ ・ 金 金 金 玉 銀 ・|八 | 香 ・v龍 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:歩三 手数=125 ▲3四金 まで 後手番
投了図。色々あって6八に金がくっつきましたが、この金無双なら王様も安心ですね。チームも2-1で勝って上々のスタート。
●2局目
再び先手番で、今度は▲四間飛車vs△居飛車穴熊の戦型。中盤、相手の駒組みの不備を突いた仕掛けでややリードを奪います。
後手:相手 後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・v金v桂v玉|一 | ・v角 ・v銀v飛 ・ ・v銀v香|二 | ・ ・ ・v歩 ・v金 ・v歩v歩|三 |v歩 角 歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|五 | 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・|六 | ・ ・ ・ ・ 銀 金 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:歩 手数=60 △6二銀 まで
第3図は5三の銀を引いて7筋を受けられたところ。この△6二銀はいかにも辛い格好の手で、対してこちらは▲9七桂~▲8五桂のようにイケイケムードで指せば問題なかったのですが、次に△5五歩と突かれるのを気にして指した▲6六銀が疑問。対局中も「さすがに感触悪すぎる手だよなあ」とは思いながらも△5五歩を消して手堅く指したつもりだったのですが、すかさず△4五歩と突かれて内心「やっちまった・・・」。どこかで△4五歩と突かれる手はあるかもしれない、と意識の片隅に置いておいたはずなのに、▲6六銀を上がる瞬間だけはそれが抜け落ちてしまっていたのでした。
ただ幸いにも、△4五歩の局面をソフトに見せるとまだ先手有利の判定。対局中も読み進めていくうちに「はっきり劣勢というほどにはなっていないかも・・・?」という感触になっていました。△4五歩以降、評価値上では微妙なところを揺れ動いていましたが、終盤の入り口で秒読みに追われた相手に決定的な悪手が出てこちらの勝ち筋になります。
後手:相手 後手の持駒:桂 歩三 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ | ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・v玉|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・v香|二 |v香 ・v桂v歩 ・ ・v飛v歩 圭|三 |v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩|四 | ・ ・v銀 歩v歩 歩v歩 ・ 香|五 | 歩 歩 ・ ・ 歩 金 ・ ・ ・|六 | ・ 馬 ・ ・ ・ 玉 歩 歩 ・|七 | ・ ・ ・v角 ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 飛 ・ ・ 金 ・ ・ ・|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:金 銀二 歩 手数=138 △1二香 まで
第4図、こちらも30秒の秒読みでしたが、どうにか寄せの道筋を発見できました。
▲4二銀△7九角成▲3三銀不成△1三香▲2二銀打(第5図)
後手:相手 後手の持駒:飛 桂二 歩三 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ | ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・v玉|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ 銀 ・|二 |v香 ・v桂v歩 ・ ・ 銀v歩v香|三 |v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩|四 | ・ ・v銀 歩v歩 歩v歩 ・ 香|五 | 歩 歩 ・ ・ 歩 金 ・ ・ ・|六 | ・ 馬 ・ ・ ・ 玉 歩 歩 ・|七 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂v馬 ・ ・ 金 ・ ・ ・|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:飛 金 歩 手数=143 ▲2二銀打 まで 後手番
▲4二銀がぴったりの決め手。第5図以下は△2二同金に▲3一飛と打てば何を合駒しても詰んでいます。チームとしても2連勝。
●3局目
後手番での四間飛車。相手は再び穴熊模様でしたが、藤井システム調の仕掛けを警戒して▲9八玉型の「串カツ囲い」に変化しました(こっちは仕掛けるつもり全くナシだったので、時間を使ってもらったことと合わせて内心ニヤリ)。
お互いに仕掛けの難しい展開になりましたが、相手が先手番ということで意を決して仕掛けてきての第6図。
後手:亀 後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一 | ・v玉v金 ・ ・v飛 ・ ・v香|二 | ・v銀v桂v金v歩 ・v角 ・ ・|三 | ・v歩v歩v歩 ・v銀v歩v歩 ・|四 |v歩 ・ ・ ・ 歩v歩 ・ ・ 香|五 | ・ 歩 歩 歩 金 ・ 歩 角 ・|六 | 歩 銀 銀 ・ ・ 歩 桂 ・ ・|七 | 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・|九 +---------------------------+ 先手:相手 先手の持駒:歩 手数=68 △2四同歩 まで
まだ中盤の入り口ですが相手は既に秒読みで、こちらも残り2~3分ほど。ここで相手が時間ギリギリまで迷って▲1二香成と指そうとしたのですが、着手が間に合わずまさかの時間切れ。対局中の感触も実際のソフトの評価値もやや後手寄りといったところでしたが、もちろん実戦的にはまだまだこれからの勝負だったでしょう。
やや複雑な結末ではありましたが、しまさんとみきさんが2人とも勝ってくれたのでチームとしては文句のつけようがない3連勝です。
●4局目
先手番で相振り。
後手:相手 後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩v金v角 ・ ・|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・v飛v歩|四 | 歩 ・ 歩 歩 ・v銀 ・ ・ ・|五 | ・ 飛 ・ ・ 銀 ・ ・ 銀 歩|六 | ・ ・ 角 ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七 | ・ ・ ・ ・ 金 ・ 玉 ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:歩 手数=58 △4五銀 まで
第7図は△4五銀とぶつけられたところ。素直に▲4五同銀△同歩は相手の言いなりなので気が進まないところで、ここでは強く切り返す順があります。
第7図以下▲3五銀△2五飛▲4五銀△同歩▲4四銀打(第8図)
後手:相手 後手の持駒:銀 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩v金v角 ・ ・|三 | ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・v歩|四 | 歩 ・ 歩 歩 ・v歩 銀v飛 ・|五 | ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六 | ・ ・ 角 ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七 | ・ ・ ・ ・ 金 ・ 玉 ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:歩 手数=63 ▲4四銀打 まで 後手番
▲3五銀△2五飛を利かしてから▲4五銀と取れば、△4五同歩には▲4四銀打、△3五飛には▲3六銀打として押さえ込むことができます。3五に出た銀はもともと2八の地点にいたもの。この銀が「壁銀」として残ったまま負けてしまうのが金無双としては最悪中の最悪で、逆に言うとこの銀さえしっかり活用してあげられれば、金無双は巷で言われているほど(?)弱い囲いではないと思っています。
さらに進んで終盤戦。
後手:相手 後手の持駒:銀三 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v玉v金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩 ・ 馬 ・ ・ ・ ・|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|四 | 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・v角 ・ 歩 金 ・ ・ 歩|六 | ・ ・ 桂 ・ ・ ・ 歩 歩 ・|七 | ・ ・v飛 ・ ・ 歩 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:飛 金 銀 歩五 手数=94 △7六角 まで
結論から言うと△7六角は詰めろになっていないので(2八の銀を活用したおかげ!)、▲6一銀と詰めろをかけておいて明快な一手勝ちです。ところが秒読みの中で「たぶん詰めろっぽい!」と盛大に勘違いし、本譜は▲3九金。対して△5二歩が上手い勝負術(実際にはそこで▲7一銀△同金▲同馬△同玉▲6三金で勝ちだが、たった今▲3九金を指した人間に指せるわけがない)。▲5二同馬と取って後手玉が瞬間的にゼットになってしまい、以下△4九銀▲2八玉△3八銀打・・・とラッシュをかけられて生きた心地のしない展開です。それでもまだ逆転に至っていなかったというのは幸運としか言いようがなく、最後は相手玉の簡単な詰み筋を5回も6回も慎重に確認して詰まし、個人としてもチームとしても望外の4連勝となりました。
●5局目
またまた先手番での相振り。前局あたりからかなりスタミナが切れかかっていたのもありますが(言い訳)、序盤に漫然と駒組みしていて気付いたらひどい作戦負け模様に。
後手:相手 後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一 | ・v玉v金v金 ・ ・ ・ ・v香|二 | ・v歩v銀v歩v角v歩v桂 ・ ・|三 |v歩 ・v歩 ・v歩v銀v飛v歩v歩|四 | ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ ・ 角 銀 ・ ・ ・ 歩|六 | ・ ・ 桂 ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七 | 香 ・ ・ ・ 金 金 玉 銀 ・|八 | ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:歩 手数=58 △2四歩 まで
こちらはプラスになる手がなく、相手だけどんどん形が良くなっていく、という状況です。時間も一方的に使わされている中、第10図で「もうどうにでもなれ」と成算の持てないまま仕掛けます。
▲9五歩△同歩▲6四歩△同歩▲6五歩(第11図)
後手:相手 後手の持駒:歩三 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一 | ・v玉v金v金 ・ ・ ・ ・v香|二 | ・v歩v銀 ・v角v歩v桂 ・ ・|三 | ・ ・v歩v歩v歩v銀v飛v歩v歩|四 |v歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ ・ 角 銀 ・ ・ ・ 歩|六 | ・ ・ 桂 ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七 | 香 ・ ・ ・ 金 金 玉 銀 ・|八 | ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:なし 手数=63 ▲6五歩 まで 後手番
第10図の少し前に相手が3一の角を5三に上がっていたので、6筋の継ぎ歩攻めが一つの筋としては浮かんでいました。しかし、いかにも「攻めさせられている」流れだし6筋は相手の一番堅い場所だし、理屈としては手になるはずがありません。第11図の局面でソフトが示したのは△5五歩▲同銀△同銀▲同角△5四銀という順で、確かにこうなると先手が辛そうですが、△5五歩はわざわざ攻めを呼び込む感じもあるだけに人間には見えづらいところかもしれません。
実戦は第11図で△6三金直としてきましたが、これは当たりが強くなった面もあり先手の得でしょう。以下は命懸けで攻めていった気合いが通ったのか相手の弱気な対応もあり、攻めが完全に繋がって勝ち筋になりました。
後手:相手 後手の持駒:歩三 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|一 | ・ ・v玉v香 馬v歩 ・ 龍 ・|二 | ・v歩 ・v桂v銀 ・v桂 ・ ・|三 | ・ ・ 歩v歩 ・v銀 ・v歩v歩|四 |v歩 ・ ・v金 ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・v歩 ・ 銀 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七 | 香 ・ ・ ・ 金 金 玉 銀 ・|八 | ・ ・vと ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:亀 先手の持駒:角 金 歩 手数=118 △5六歩 まで
第12図は最終盤。形勢自体はド必勝なのですが相手も決め手を与えないように粘っていて、秒読みということもあり精神的にはかなり焦っていました。ここでの一手はちょっと印象に残っています。
第12図で秒に追われながら指したのは▲3九銀。別に妙手でもないし最善手でもないのですが、焦りながらもこういう手が指せたのは、団体戦という状況だったからなのかもしれません。先ほども出てきた、「金無双の壁銀が残らないように活用する」一手です。以下△5七歩成▲同金直と進んだときに自玉の安心感が段違いですし、5筋の歩が切れるとこちらも▲5四歩と打てるようになるのが大きいのです。良く言えば勝ち急がずに、悪く言えば「鈍足の寄せ」ですが、どうにか勝ち切ることができました。しまさんとみきさんは惜しくも敗れてしまい、チームは4勝1敗という最終結果でした。
個人的には、実力の9割~10割近くは出し切れたという感触です。とは言え第3図からの▲6六銀、第9図からの▲3九金のような悪手もところどころあったのですが、いずれも致命傷にはなっていなかったという運の良さもプラスされての結果だったかなと思っています。
・・・まあ、結果云々という以前に、やはりリアルに盤を挟んで指す大会、それも団体戦というのは最高に楽しいものです。大会も団体戦も久しぶりだったので緊張感は少なからずありましたが、とことん将棋を楽しみ尽くす機会をいただけたことに感謝です。
※追記
大会の参加賞として、全員が一冊ずつ棋書をいただくことができました(成績上位のチームから順に好きなものを選べる)。最新形の将棋に関する棋書も多く、自分にとっては「猫に小判、豚に真珠」的なラインナップでしたが、とりあえずこちらをありがたくいただきました。

(追記ここまで)
大会終了後は居酒屋に移動して打ち上げ。途中で仕事終わりのきっどさんも駆け付けてくれて(きっどさんもお会いするのは初めてだったけどやはりそんな気がせず)、のんびり雑談しながらおいしいお酒を味わいました。二次会はカラオケボックスに場所を移し、歌は一切歌わずに大会の棋譜を検討したり、リレー将棋(飛車角反転バージョン)を指したり。あっという間の楽しい一日でした。
改めまして、一緒に参加してくださったしまさんとみきさん、そしてお忙しい中打ち上げに来てくださったきっどさん、ありがとうございました。
・・・とりあえず日曜のうちに急いでまとめてみました。おそらく大生将棋生存報告のほうでも詳細なレポートがあがると思うので、ぜひそちらもご覧ください(流れるような宣伝)。
※12/25追記
しまさんのレポートがアップされました。
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