2日に団体戦の大会・兼オフ会へ参加してきました。2018年12月以来です。
大会は広島市で行われた「中国将棋団体対抗戦」。5人制で職域の部とフリーの部があり、フリーの部のA級に出場しました。メンバーは前回もご一緒したみきさん、しまさんに加え、きっどさん、もみじさんの布陣です。
予選は4チームのリーグ戦で、上位2チームが決勝トーナメント進出。対局は25分切れ負けです。大会で切れ負けルールはおそらく20年以上ぶりだったので、ノータイムで飛ばせるところは飛ばして叩き合いの展開は極力避けようと思っていました。
オーダーは大将席から順にしまさん、亀井、みきさん、きっどさん、もみじさん。
(例によって棋譜は後からまとめて思い出しました。1局目を中心に細かい部分の正確さは自信がありません。)
●1局目
確か後手番(ここすら怪しいw)。こちらの四間飛車に対し相手は居飛穴模様でしたが、穴熊にはせず力戦調になりました。
第1図は▲6五歩と突っかけられたところ。ここは△6五同桂▲同桂△3六歩が正着で、以下はどう応じても△3五銀が王手飛車になってそれまででした。実戦は第1図から△5三銀▲6四歩△同銀▲6六歩△4四角と進み、こちらに分のある捌き合いで終盤戦へ。
第2図は2六の角を3五に逃げたところ。△9九角の王手さえ入ればだいたい寄るっしょ、とノリで進めてみたら案外大変でした。ここは▲6一竜△同銀▲7九金打を心配していて、評価値的にもそれで難解だったようです。実戦は▲7九銀だったので△9七歩(▲同香は△5七角成、▲同玉は△9六香)が刺さって勝ちになりました。チームも3-2で勝ち。
●2局目
いわゆる「ガチ」のチームと激突。自分の相手になったのは過去に小学生名人戦のテレビ放送で名前を見たことがある、元奨の方でした。
先手番での四間飛車に対し、飛車先の歩や△5二金右の一手も全て省略しての一直線穴熊。さらに△4二角と引いて四枚穴熊を目指しています。こうなるとこちらは大人しく組み合っても作戦負けにしかならないので、動いていくしかありません。
第3図以下▲4五歩△3三銀▲2五桂△2四銀▲6五歩△3二玉▲1一角成△2五銀▲1二馬△3六銀(第4図)
自陣も色々と怖いところはあるものの、相手玉のすぐ近くに馬ができているのだから最悪でも「やや指しやすい」くらいではあるはず、と思いながら指していました。・・・が、局後に真っ先に仕掛けの話題になると相手は「まあさすがに無理気味ですよね」と一刀両断。うーんそういうものなのかーと思いつつ、家に帰ってからソフトにかけてみると「▲2五桂には△1一玉でほぼ互角、本譜は先手有利」とのことで。
第4図からは▲4八金直△5二金右▲6六飛△2五銀と進みましたが、そこで▲2六香がはっきり失着でした。せっかく僻地に追いやった銀を駒台の香で取りに行くわけですから、特に「駒効率を大事にする」自分としては猛反省です。銀をいじめるなら当然▲2六歩の一手でした。
終盤戦、悪いながらも飛車を成り込んで勝負と思っていたのですが、第5図から△6二飛!が強烈な一手でした。びっくりした後、「あれ、でも▲4一竜の時にほんとに自玉詰むの?」と疑問が浮かびます。しかしそこは「相手への信用」があって、まあたぶん詰むんだろうなーと思って数分考えると詰み筋が見えました。▲4一竜には△4八桂成▲同玉△6八飛成▲5八金に△4九金!(変化図)
個人戦なら変化図まで進めて「美しい投了図」を残すのも一案ですが、団体戦なので△6二飛に▲同竜を選びました。まあそれはそれで勝ち目がなく、もう少し指し進めたところで投了。チームも爽やかに0-5負けでした。
第3図からの仕掛け自体は無理というわけではないようですが、乱戦になるので個人的には本意とも言えない微妙なところです。例えば▲7八銀の一手を省略していれば△4二角と引かれる前に▲4五歩で銀を追い返せるので、そのあたりは駒組みに工夫の余地があるという指摘をいただきました。
●3局目
先手番で四間飛車vsエルモ囲い。
第6図、舟囲いでは古くからある定跡形ですが、エルモ囲いとの組み合わせでどうなるかというところ。ここは▲2二角成に△同金と取れる利点を活かして単に△7五銀もありそうです(▲6六角が王手飛車にならない)。本譜は△7七角成▲同桂△7五銀▲同銀△同飛▲6六角と、舟囲いバージョンと同じような進行になりました。
少し進んで第7図。ここは△6七歩や△6六桂が有力でしたが、指されたのは△5七桂。これは読み筋で、▲3九金とかわして後手から思わしい手がありません。この後も相手の攻めを軽くいなして盤石の態勢になります。
・・・ところが。
第8図。普通に▲1三桂で勝ちですし、その予定でこの局面まで進めていました。▲1三桂△同歩▲同歩成に△3九竜▲同玉△4九金から迫っても明らかに足りません。なのに、「団体戦だし、より手堅く・・・」と気の迷いが生じて本譜は▲4九桂。以下△同桂成▲同銀△2四角▲7二竜△4七桂(第9図)。
決めれる時に決めておかないとこうなる、という典型例ですね。ソフト曰く第9図はまだ先手が残しているようなんですが、人間はこうなるともうガタガタです。都合良く記憶が飛んでいるので以下の手順は省略しますが、覚えていても載せたくないレベルだったのは確かです。最終的には形勢はほぼ逆転、しかし相手の時間が切れて勝ち、という結末(自分は残り2分くらい)。終局後の第一声は「申し訳ないですorz」でした。
チームは1-4負けで予選通過ならず、親善トーナメントに進みました。親善トーナメントからオーダー変更が可能になり、自分が大将席へ。
●4局目
後手番で四間飛車vs居飛穴。中盤でリードを奪い、手に乗って駒が全部捌ける展開。
第10図、自然に△4八馬~△5七歩成で問題なかったようですが、前局の反省やここまでの内容に対するフラストレーションもあって過激に行ってしまいます。
第10図以下△6七馬▲同銀△5七歩成▲7八銀△5九竜▲2一飛成△7九竜▲同銀△6八金(第11図)
馬、竜と大駒を立て続けにぶった切ります(▲2一飛成の局面は次に▲2六角があるので)。第11図では▲8八角と頑張られると大変だったようですが、実戦は▲6八同銀△同と、から寄せ切りました。チームも3-2勝ち。
●5局目
親善トーナメント決勝戦。後手番で▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二飛の出だしから相手が居飛車に変化し、この日は全局対抗形に。
四枚穴熊vs四枚銀冠の超持久戦。序盤の模様は悪くないと思っていましたが、ソフトにかけてみると駒がぶつかる前に後手に500点ほど振れていたようです。第12図から△2六歩▲3五角△同角▲同歩△2七歩成▲5三歩△1八と▲5二歩成△2九飛成▲6一と△8四香(第13図)
一直線の攻め合いですが、一方的に飛車を成り込んでいるのが大きく後手良しです。ソフトは第13図の△8四香に代えて△5五香や△4七角を挙げていたんですが、人間的には△8四香のほうが分かりやすくていいんじゃないかと思います。
第14図から▲5七飛!というアクロバティックな手を指されてびっくりしましたが、△5七同竜▲3五角△8二玉▲5七角に△4五桂!がここまでの将棋に対する鬱憤を全て晴らせるような気分の良い一手で、手にした一歩を△8八歩と打って以下は快勝。チームは惜しくも2-3負けでしたが、親善トーナメント準優勝だから十分ってもんです。何よりも団体戦ってやっぱり楽しい。切れ負けなので、途中で席を立って他のみんなの戦況を見て回る余裕がなかったのだけは残念でしたが。
前夜祭や終了後の打ち上げで、色んな料理も満喫できました。前夜祭では広島風お好み焼きや、蒲鉾状のものを揚げた「がんす」が美味でした。大会後はもつ鍋のお店で、もつ鍋や明太子などの福岡三昧。月曜日の朝に広島を発って東京駅でお昼を食べたんですが、前日の福岡三昧に引きずられて豚骨ラーメンと明太子ご飯を選んでしまいました。明太子おいしい。
きっどさんがちゃっかり連れてきていた彼女さんと、みんなでちゃっかり対面する時間もあったわけですが、めちゃくちゃ綺麗な方であからさまに挙動不審になってしまい。せめてもうちょいコミュ力があれば・・・。
そんなこんなで夢のような楽しい時間でした。広島までの移動距離が一番長かったということで、恐縮するくらい皆さんにお気遣い頂き本当にありがとうございました。
大会は広島市で行われた「中国将棋団体対抗戦」。5人制で職域の部とフリーの部があり、フリーの部のA級に出場しました。メンバーは前回もご一緒したみきさん、しまさんに加え、きっどさん、もみじさんの布陣です。
予選は4チームのリーグ戦で、上位2チームが決勝トーナメント進出。対局は25分切れ負けです。大会で切れ負けルールはおそらく20年以上ぶりだったので、ノータイムで飛ばせるところは飛ばして叩き合いの展開は極力避けようと思っていました。
オーダーは大将席から順にしまさん、亀井、みきさん、きっどさん、もみじさん。
(例によって棋譜は後からまとめて思い出しました。1局目を中心に細かい部分の正確さは自信がありません。)
●1局目
確か後手番(ここすら怪しいw)。こちらの四間飛車に対し相手は居飛穴模様でしたが、穴熊にはせず力戦調になりました。
第1図は▲6五歩と突っかけられたところ。ここは△6五同桂▲同桂△3六歩が正着で、以下はどう応じても△3五銀が王手飛車になってそれまででした。実戦は第1図から△5三銀▲6四歩△同銀▲6六歩△4四角と進み、こちらに分のある捌き合いで終盤戦へ。
第2図は2六の角を3五に逃げたところ。△9九角の王手さえ入ればだいたい寄るっしょ、とノリで進めてみたら案外大変でした。ここは▲6一竜△同銀▲7九金打を心配していて、評価値的にもそれで難解だったようです。実戦は▲7九銀だったので△9七歩(▲同香は△5七角成、▲同玉は△9六香)が刺さって勝ちになりました。チームも3-2で勝ち。
●2局目
いわゆる「ガチ」のチームと激突。自分の相手になったのは過去に小学生名人戦のテレビ放送で名前を見たことがある、元奨の方でした。
先手番での四間飛車に対し、飛車先の歩や△5二金右の一手も全て省略しての一直線穴熊。さらに△4二角と引いて四枚穴熊を目指しています。こうなるとこちらは大人しく組み合っても作戦負けにしかならないので、動いていくしかありません。
第3図以下▲4五歩△3三銀▲2五桂△2四銀▲6五歩△3二玉▲1一角成△2五銀▲1二馬△3六銀(第4図)
自陣も色々と怖いところはあるものの、相手玉のすぐ近くに馬ができているのだから最悪でも「やや指しやすい」くらいではあるはず、と思いながら指していました。・・・が、局後に真っ先に仕掛けの話題になると相手は「まあさすがに無理気味ですよね」と一刀両断。うーんそういうものなのかーと思いつつ、家に帰ってからソフトにかけてみると「▲2五桂には△1一玉でほぼ互角、本譜は先手有利」とのことで。
第4図からは▲4八金直△5二金右▲6六飛△2五銀と進みましたが、そこで▲2六香がはっきり失着でした。せっかく僻地に追いやった銀を駒台の香で取りに行くわけですから、特に「駒効率を大事にする」自分としては猛反省です。銀をいじめるなら当然▲2六歩の一手でした。
終盤戦、悪いながらも飛車を成り込んで勝負と思っていたのですが、第5図から△6二飛!が強烈な一手でした。びっくりした後、「あれ、でも▲4一竜の時にほんとに自玉詰むの?」と疑問が浮かびます。しかしそこは「相手への信用」があって、まあたぶん詰むんだろうなーと思って数分考えると詰み筋が見えました。▲4一竜には△4八桂成▲同玉△6八飛成▲5八金に△4九金!(変化図)
個人戦なら変化図まで進めて「美しい投了図」を残すのも一案ですが、団体戦なので△6二飛に▲同竜を選びました。まあそれはそれで勝ち目がなく、もう少し指し進めたところで投了。チームも爽やかに0-5負けでした。
第3図からの仕掛け自体は無理というわけではないようですが、乱戦になるので個人的には本意とも言えない微妙なところです。例えば▲7八銀の一手を省略していれば△4二角と引かれる前に▲4五歩で銀を追い返せるので、そのあたりは駒組みに工夫の余地があるという指摘をいただきました。
●3局目
先手番で四間飛車vsエルモ囲い。
第6図、舟囲いでは古くからある定跡形ですが、エルモ囲いとの組み合わせでどうなるかというところ。ここは▲2二角成に△同金と取れる利点を活かして単に△7五銀もありそうです(▲6六角が王手飛車にならない)。本譜は△7七角成▲同桂△7五銀▲同銀△同飛▲6六角と、舟囲いバージョンと同じような進行になりました。
少し進んで第7図。ここは△6七歩や△6六桂が有力でしたが、指されたのは△5七桂。これは読み筋で、▲3九金とかわして後手から思わしい手がありません。この後も相手の攻めを軽くいなして盤石の態勢になります。
・・・ところが。
第8図。普通に▲1三桂で勝ちですし、その予定でこの局面まで進めていました。▲1三桂△同歩▲同歩成に△3九竜▲同玉△4九金から迫っても明らかに足りません。なのに、「団体戦だし、より手堅く・・・」と気の迷いが生じて本譜は▲4九桂。以下△同桂成▲同銀△2四角▲7二竜△4七桂(第9図)。
決めれる時に決めておかないとこうなる、という典型例ですね。ソフト曰く第9図はまだ先手が残しているようなんですが、人間はこうなるともうガタガタです。都合良く記憶が飛んでいるので以下の手順は省略しますが、覚えていても載せたくないレベルだったのは確かです。最終的には形勢はほぼ逆転、しかし相手の時間が切れて勝ち、という結末(自分は残り2分くらい)。終局後の第一声は「申し訳ないですorz」でした。
チームは1-4負けで予選通過ならず、親善トーナメントに進みました。親善トーナメントからオーダー変更が可能になり、自分が大将席へ。
●4局目
後手番で四間飛車vs居飛穴。中盤でリードを奪い、手に乗って駒が全部捌ける展開。
第10図、自然に△4八馬~△5七歩成で問題なかったようですが、前局の反省やここまでの内容に対するフラストレーションもあって過激に行ってしまいます。
第10図以下△6七馬▲同銀△5七歩成▲7八銀△5九竜▲2一飛成△7九竜▲同銀△6八金(第11図)
馬、竜と大駒を立て続けにぶった切ります(▲2一飛成の局面は次に▲2六角があるので)。第11図では▲8八角と頑張られると大変だったようですが、実戦は▲6八同銀△同と、から寄せ切りました。チームも3-2勝ち。
●5局目
親善トーナメント決勝戦。後手番で▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二飛の出だしから相手が居飛車に変化し、この日は全局対抗形に。
四枚穴熊vs四枚銀冠の超持久戦。序盤の模様は悪くないと思っていましたが、ソフトにかけてみると駒がぶつかる前に後手に500点ほど振れていたようです。第12図から△2六歩▲3五角△同角▲同歩△2七歩成▲5三歩△1八と▲5二歩成△2九飛成▲6一と△8四香(第13図)
一直線の攻め合いですが、一方的に飛車を成り込んでいるのが大きく後手良しです。ソフトは第13図の△8四香に代えて△5五香や△4七角を挙げていたんですが、人間的には△8四香のほうが分かりやすくていいんじゃないかと思います。
第14図から▲5七飛!というアクロバティックな手を指されてびっくりしましたが、△5七同竜▲3五角△8二玉▲5七角に△4五桂!がここまでの将棋に対する鬱憤を全て晴らせるような気分の良い一手で、手にした一歩を△8八歩と打って以下は快勝。チームは惜しくも2-3負けでしたが、親善トーナメント準優勝だから十分ってもんです。何よりも団体戦ってやっぱり楽しい。切れ負けなので、途中で席を立って他のみんなの戦況を見て回る余裕がなかったのだけは残念でしたが。
前夜祭や終了後の打ち上げで、色んな料理も満喫できました。前夜祭では広島風お好み焼きや、蒲鉾状のものを揚げた「がんす」が美味でした。大会後はもつ鍋のお店で、もつ鍋や明太子などの福岡三昧。月曜日の朝に広島を発って東京駅でお昼を食べたんですが、前日の福岡三昧に引きずられて豚骨ラーメンと明太子ご飯を選んでしまいました。明太子おいしい。
きっどさんがちゃっかり連れてきていた彼女さんと、みんなでちゃっかり対面する時間もあったわけですが、めちゃくちゃ綺麗な方であからさまに挙動不審になってしまい。せめてもうちょいコミュ力があれば・・・。
そんなこんなで夢のような楽しい時間でした。広島までの移動距離が一番長かったということで、恐縮するくらい皆さんにお気遣い頂き本当にありがとうございました。
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