狼将棋のブログ

2016年02月

12日から本選が開幕し、前半の2週が終わりました。

結果から書くと、●●●●●●○●の1勝7敗です。どうしてこうなった!

一局ごとに振り返るだけの気力が出ないので、全体を通しての振り返りということでご容赦ください。


本来これは開幕前に宣言しておくべきことで、今書くと後付けの言い訳のようになってしまうのですが、実は今回の本選、最初から諦めた状態で開幕を迎えました。予選の最後のあたりからそれらしき兆候はあったのですが、どうにも将棋の状態が良くない。予選が終わってから本選が始まるまでの間に何局か調整で指してみたものの、まるっきり勝てませんでした。

開幕の2日ほど前、あーこれは本選も厳しいかもなあ、と思ったところで、「いっそ最初から諦めて臨んでみるっていうのも面白そうじゃね?」ということを思いつきます。純粋に取り組み方として面白いかもと思ったのが半分、そうすることで余計な力が抜けて逆にいい結果になるかも・・・という淡い願望が半分でした。その結果は冒頭の通りです><

ただ、ここまでの8局を振り返ってみた時、何から何まで全部ボロボロだったのかというとそうでもありませんでした。一局だけ「駒遊び」しているうちに終わってしまったような将棋もありましたが、それ以外は自分なりにまあまあ指せていたという感触の将棋が多かったのです。それなのにどうしてここまで負けが込んでいるのか、ということになると、これはもう終盤が弱くなっているのが全てだろう、というのが自己分析です。

ここのところ、終盤になると急に読めなくなるという実感が結構あります。読まずに指してしまうのではなく、一生懸命に読もうとしているのに読めていないという状態。たまたま一時的にそういう状態になっているだけなのか、それとも最近詰将棋なんかをちゃんと解いていないツケがまわってきたのか・・・。


むりやりに明るい材料を挙げるとすれば、負けは負けでも比較的長手数まで粘れていることでしょうか。負けた7局のうち100手を切ったのは1局だけで、150手以上が3局ありました。負けるときでも相手に楽はさせない、というのは将棋指しとして目指したい姿でもあります。


負けた将棋の中で内容的には一番納得のいった一局を紹介。


【第1図は▲2九飛まで】
後手:kame1223
後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v金v金 ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v銀v角v歩v歩 ・v銀v歩v香|三
|v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・|五
| 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 金 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ 銀 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:歩 
手数=61  ▲2九飛  まで

後手番

対振り右玉を相手にしての序盤戦。ここまでのところで少し誤算があり、第1図は作戦負けになっていると思います。次に▲3四歩△同銀▲3五歩△4三銀▲1一角成のように進んでしまうと完封負けコースなので、なんとかして手を作っていかなければなりません。

第1図から「振り飛車の奥義」△9二玉がちょっとした勝負手。少し前に指された朝日杯の藤井-糸谷戦で、藤井先生が銀冠+端玉の遠さを活かしてかっこよく勝ったのを見ていたので、その影響も多少受けていました。実戦は△9二玉以下▲3四歩△同銀▲3五歩△3七角成▲同玉△4五銀(第2図)の進行。


【第2図は△4五銀まで】
後手:kame1223
後手の持駒:桂 歩四 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一
|v玉 ・v金v金 ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v銀 ・v歩v歩 ・ ・v歩v香|三
|v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・v銀 歩 歩 ・|五
| 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 金 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ 銀 銀 玉 ・ 歩|七
| ・ 角 ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:角 
手数=68  △4五銀  まで


▲3四歩△同銀▲3五歩には△3七角成と切って勝負。△9二玉と寄っておいた効果で、角のラインを気にすることなく暴れることができます。第2図は先手の歩切れが大きいので後手も指せる局面ですが、ここから上手く寄せの網を絞ることができず苦しくなっていきます。


【第3図は▲3八同歩まで】
後手:kame1223
後手の持駒:金 銀 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ 馬 ・|一
|v玉 ・v金v金 ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v銀v飛v歩v歩 ・ ・ 圭v香|三
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|四
|v歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 銀 歩 ・|五
| ・ 桂v歩 角 歩 銀 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ 玉 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:金 歩二 
手数=113  ▲3八同歩  まで

後手番

第3図は終盤。局面は後手敗勢ですが、ここからの△6四歩▲1三成桂△5四歩の3手が少し印象に残っています。代わる手も難しいところではあるのですが、この3手はなんとなく自分らしさを出せたような気分です。この後は順当に負けましたが、△9二玉や△6四歩~△5四歩も含め、自分なりにやるだけのことはやったという感触はあったので、負けた将棋の中では一番いい内容だったと思っています。


今週末からは後半戦。この状況からタイトルを狙いに行くのはさすがに無謀だと思うので、投げやりにはならずに一局一局を丁寧に指すこと、そして勝ち負けには関わらず自分の中で納得のできる棋譜を一局でも多く残すことを目標にしたいと思います。 

お久しぶりです。たまーに大生将棋生存報告という方で記事を書いています。
こちらでは以前矢倉の記事を書こうとしましたが、一瞬で流行が進んでしまいどうにもなりませんでした。
今回はその反省に則り自身の実戦を題材にします。
【図は△4五飛まで】
後手の持駒:金 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・v金 ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v銀v歩v金 ・ 馬 ・ ・ ・|三
| ・ 桂 ・ 歩 ・ ・ ・v歩 ・|四
| 歩 銀 歩 桂 ・v飛 ・ ・ ・|五
| ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 玉 歩|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・v圭 ・ ・|七
| ・ ・ ・v角 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 銀二 香 歩七 
手数=136  △4五飛  まで


相手が下駄を預けてきた局面。結論から言えば敵玉に詰みがあります。
難しい手はあまり無いのですが、20手を超えるためここから読み切るのは容易ではありません。
盤面で動かしながら詰み手順を考えてみてください。

正解は一週間ほど後に。
(2016/2/27追記 正解を続きに書きました)
 続きを読む

後半2週での対局は1局のみでした。

7局目(1/22) 

こちらの三間飛車に対し、相手は現在流行中の中飛車左穴熊。 初期の頃は「四枚穴熊を目指すための作戦」というイメージが強かったのですが、最近は右銀を囲いのほうには寄せず、振り飛車側の飛車先を受けるための駒として使う指し方が多くなっています。「四枚穴熊は嫌だけど三枚の穴熊なら気にしない」派の自分としてはありがたいところではあるのですが、当然ながら相手にするのは大変な作戦でもあります。

【第1図は▲8八角まで】
後手:相手
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v玉|一
| ・ ・ ・ ・ ・v金v金v銀v香|二
| ・ ・ ・v歩 ・v歩v角v歩 ・|三
|v歩v歩v銀 ・v飛 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 飛 銀 ・ 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 金 ・ 歩 ・|七
| ・ 角 ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:kame1223
先手の持駒:歩 
手数=43  ▲8八角  まで

後手番


第1図は7七の角を引いて飛車の可動域を広げたところ。特に深く考えることもなく▲8八角を指したのですが、指してから△5六歩の仕掛けがあることに気付いて慌てます。読み進めていくうちに大丈夫という結論に至りましたが、本来なら▲8八角を指す前に読んでいなければならない順で、大きな反省点になりました。

相手は長考の末に△5六歩を決行してきました。以下▲5六同金△同飛▲同歩△6五銀 ▲7二飛成△6六角▲同角△同銀▲8一竜△5七銀不成▲7一飛△3一銀打(第2図)

【第2図は△3一銀打まで】
後手:相手
後手の持駒:角 金 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 龍 飛 ・ ・ ・v銀v桂v玉|一
| ・ ・ ・ ・ ・v金v金v銀v香|二
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・v歩 ・|三
|v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ ・v銀 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:kame1223
先手の持駒:角 桂 歩二 
手数=56  △3一銀打  まで


△5六歩から△6五銀と出るのが後手の狙い筋ですが、▲8一竜から▲7一飛の二枚飛車がいきなり詰めろになってしまうのが泣き所で、銀を一枚使わせた第2図は後手の攻めが細く先手良してす。(仮に△3二金△3一金の形だったらさすがに後手良しだろう・・・と思ったのですが、GPSはそれでもほぼ互角という判断でした)

第2図からはどうやって優勢を勝勢に持っていくか、というところですが、ここがまた将棋の難しいところでもあり、怪しいことになってしまいます。

第2図以下▲7五角△5八金▲5四桂△4九金▲同銀△7六角(第3図)

【第3図は△7六角まで】
後手:相手
後手の持駒:金 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 龍 飛 ・ ・ ・v銀v桂v玉|一
| ・ ・ ・ ・ ・v金v金v銀v香|二
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・v歩 ・|三
|v歩v歩 ・ ・ 桂 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・v角 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ ・v銀 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 銀 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:kame1223
先手の持駒:金 歩二 
手数=62  △7六角  まで


▲7五角はいかにも急所という手。後手は△6六角と合わせるくらいだろうから、▲同角△同銀不成で銀を遠ざけて▲5四桂、という読み筋だったのですが、これは勝手読みが過ぎました。△5八金と張り付く手をうっかりしていて、さらに慌てながら打った▲5四桂が大悪手。△7六角が両取りになってしまいました。

幸いにも第3図で持ち時間はまだ5分以上残っていたので(こうなる前にしっかり時間使えよという話ですが)、攻め合って勝つ順を探し始めます。▲4二桂成△4九角成▲3二成桂△同銀▲2一竜・・・は、どうも詰みはなさそう。▲3二成桂のところ▲3一成桂としても△同銀で、飛車も角も渡せない・・・ということで、攻め合い勝ちは断念して第3図から▲3九金と反省しました。流れはおかしいけど、まだリードはしているはず、という判断で、実際にGPSも微差で先手良しを示しています。

【第4図は△4六馬まで】
後手:相手
後手の持駒:金 桂 歩四 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 龍 飛 ・ ・ ・v銀v桂v玉|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀v香|二
| ・ ・ ・v歩 馬v歩v金v歩 ・|三
|v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩v馬 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 銀 金 桂 香|九
+---------------------------+
先手:kame1223
先手の持駒:銀 歩 
手数=74  △4六馬  まで

少し進んで第4図。ここでGPSの推奨手は「急所の駒にアタック」の▲4七歩で、馬筋がそれて△3六桂の筋がなくなれば先手玉は安全になります。ただ、(2/11追記: ▲4七歩を打たずに攻め合ったとしても)△3六桂▲1八玉△1五歩と迫られた形が「桂馬ゼット」なので、実戦はここで攻め合いを選択しました。

第4図以下▲4一銀△ 3六桂▲1八玉△1五歩▲3二銀成△同金▲3一馬△同銀▲3三銀△5三角(第5図)

【第5図は△5三角まで】
後手:相手
後手の持駒:金 銀 歩四 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 龍 飛 ・ ・ ・v銀v桂v玉|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・v香|二
| ・ ・ ・v歩v角v歩 銀v歩 ・|三
|v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五
| ・ ・ ・ ・ 歩v馬v桂 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 玉|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 銀 金 桂 香|九
+---------------------------+
先手:kame1223
先手の持駒:金 歩 
手数=84  △5三角  まで


GPSによると、△1五歩には▲同歩と取ってほぼ互角とのことでした。5三の馬が1七へ利いているので、見た目以上に耐久力があるということなのでしょう。ただ、「桂馬ゼットだから攻め合いを目指す」と方針を決めて指していた以上、自分にはどうやっても選べない順でした。

本譜は▲3一馬△同銀に▲同飛成△同金▲同竜と迫っても △2二銀と埋められ、後手は金も持っているので粘り切られそうな形です。そこで▲3三銀と放り込みましたが△5三角がぴったりの好手。△1七銀以下の詰めろになっており、万事休してしまいました。

反省点はいくつかありますが、第2図から第3図にかけての勝手読みや見落としが一番まずかったと思っています。昨年末の絶不調だった時期が思い出されるような間違え方でした。



この後は対局がつかず、5勝2敗で予選リーグを終えました。順位は2位(1位は同点頭跳ね)で予選通過となり、まずは一安心といったところです。リンリンさんは対局さえできれば大丈夫だろうと思っていましたが消化が進まず、今回は残念な結果となりました。

将棋の内容としては、前半はまずまず指せていたと思いますが、最後の2局に良くない内容が続いてしまったのが本選に向けての課題となりました。開幕からスタートダッシュに成功して安全圏内に居座ることができていたので、少し気持ちが緩んでしまっていた部分はあったかもしれません。12日から始まる本選に向けて、少しずつ気持ちを高めていければと思います。 

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