狼将棋のブログ

2017年07月

・・・暑い。北のほうなのに35℃に届いたりしています。麦茶やアイスコーヒー、かき氷などが主なエネルギー源になっている日々です。皆様も熱中症にはお気を付け下さい。


↓は先ほど指した将棋。終盤が手に汗握る熱戦でした(悪い意味で)。



対抗形で振り飛車が玉側の端を▲1四歩△1二歩まで詰める、という展開はなかなかない気がするので少し新鮮でした。端歩の関係が1つずれると、詰ますのに必要な金駒の枚数は2枚違ってくる、と言われますが、▲1四歩△1二歩型の安心感は半端じゃなかった。それだけ自玉が安心なら相手玉をしっかり寄せ切れよ、と突っ込まれたらぐうの音も出ないわけですが。

改めて、端の位は大きいなあと実感したのでした。

知り合いの将棋が面白かったので久々に書きます。

過程図
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v金 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩 ・v桂v歩v角|三
| ・ ・v飛 ・ ・ 歩 ・v銀v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 金 ・ ・|六
| 歩 歩 角 金 銀 ・ ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 飛 銀 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=0  ▲4四歩  まで

都合上先後逆でお送りします。
どうしてこんなゲデモノが生じたのかは割愛。元は相振りですが色々あったんです。
ここから△4三歩▲3四歩△4四飛▲同角△同歩▲3三歩成△同銀と進んで問題のシーン。

問題図
後手の持駒:角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v金 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩 ・v銀v歩v角|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 金 ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 銀 ・ ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 飛 銀 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 歩二 
手数=7  △3三同銀  まで

とりあえず△4七角を消して完封したい。ということで実戦は▲3七金。
僕もそう指すでしょうし、全国クラスの強豪複数名に聞いてもそういう答えでした。
ところがそれには△6六歩!がある。
変な歩が飛んできた図
後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v金 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩 ・v銀v歩v角|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 銀 ・ 金 歩 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 飛 銀 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 歩二 
手数=9  △6六歩  まで

そんな歩があると言われてもまだピンとこない。
▲同銀△4九角▲4八飛△7九角成!
変な角まで飛んできた図
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v金 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩 ・v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ ・ 金 歩 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ 飛 ・ 銀 ・|八
| 香 桂v馬 ・ ・v角 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 歩三 
手数=13  △7九角成  まで

さっきまで完封目前だったのがこの有様。
形勢自体は難しいかもしれないが、実戦でここから立て直すのは至難である。
以下後手が押し切って勝ち。
戻って△4九角に▲5九飛と打つのが最強の頑張りだが、それにも△7九角成!がある。
またしても変な角図
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v金 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩 ・v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ ・ 金 歩 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 飛 銀 ・|八
| 香 桂v馬 ・ 飛v角 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 歩三 
手数=13  △7九角成  まで

▲同飛△3八角成▲同金△5八飛で金銀が取れる。
(尤も後手も桂合しておけば簡単に攻められるわけではなく、まだ残しているか)

こうして見ると△6六歩はなかなかの妙手だと分かる。
では何がまずかったか。実は▲3七金では▲4八飛!が正しい手の消し方。
正解の変な飛車図
後手の持駒:角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v金 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩 ・v銀v歩v角|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 金 ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 銀 ・ ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ 飛 ・ 銀 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 歩二 
手数=8  ▲4八飛  まで

えーそっちー、という感じではあるが、これで先手からの継続手段が難しい。
また▲4九飛打という手もあったようだが、持ち駒の飛車を使わずに済むなら話が早い。
実戦でも色々あるものだなあと思いましたとさ。

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