きらりさんが書かれていた「ツイッターでつぶやいて指す」対局、きらりさんvs亀井戦が終了したので自戦記を書いていきます。
対局の進め方ですが、実際にツイッターの画面を見ていただくのが一番わかりやすいと思います。

こんなふうに「○○手目の考慮開始 残り○時間○分」と書き込んでから盤面と睨めっこし、指し手が決まったら「○○手目 ▲○○○ 残り○時間○分」と書き込んで着手完了。相手の着手を確認したら再び自分の考慮を開始・・・という流れです。着手の消費時間は、考慮開始の書き込み時刻(日付のところにマウスカーソルを合わせると確認できる)と現在時刻を見比べて自分で計算する、という方法です。
よく見ると1手目の考慮開始時に残り5時間と書かれていますが、これが本企画最大の目玉。持ち時間は各5時間(切れ負け、考慮時間の秒単位は切り捨て)という、アマチュアであればまず経験し得ないであろう長い持ち時間での対局です。そしてツイッターでの対局という形にしたのは、それぞれが都合のいい時間に相手の着手を確認し、自分の着手をできるようにするためです。ツイッターを利用した「現代版の郵便将棋」と言えるでしょう。
さて、この条件下で指された将棋は一体どのようなものになったのか。まずは棋譜を貼ってから、ポイントの局面について「対局中の形勢判断」、「GPS先生の評価値」、「感想や変化手順等」を書いていきたいと思います。細かく色々書こうとすると途方もない量になりそうなので、ある程度ポイントを絞りつつ・・・。
GPS先生の評価値の推移はこちら。先手良しの部分と後手良しの部分が割と綺麗に分かれていますね。

●26手目△6四歩 形勢判断:互角 GPS評価値:-49

ここで最初の長考(14分)をしました。考えたのはもちろん、▲7四歩で一歩手持ちにするかどうか。いつもなら「どっちでも一局だし」で片付けてその時の気分で選ぶのですが、せっかく持ち時間5時間で指しているんだから少し考えてみるかな、という気になりました。
▲7四歩を突くことによるメリットは、もちろん「一歩を手持ちにできること」。ただし良いこと尽くしというわけではなく、▲7四歩△同歩▲同飛△6三金▲7八飛△7四歩のように進むと、後手も△7三銀から矢倉に組み替えたり△7三桂と跳ねたりすることができるようになります。▲7四歩を突かなければ△7三銀や△7三桂の余地はなく、またその一手を省略して攻撃陣の整備を進められるというメリットがありますが、一歩を手持ちにするという利は得られません。
今回は「後手は攻撃陣の整備にもうしばらく手数がかかりそう」という点に着目し、素早く先攻する展開を目指そうと考えて▲7四歩を突かずに▲8六歩を選択しました。序盤から惜しみなく時間を使えるというこの贅沢感。
●37手目▲7八飛 形勢判断:不満なし GPS評価値:-219

直前に△7四歩▲同歩△同金とB面攻撃を仕掛けられましたが、飛車が下段で目標になりにくい&6七銀型で角頭をカバーしているので「互角以上にはなるはず」というのが第一感でした。具体的にどう対応するかを考えた結果、「戦いが起こった筋に飛車」の▲7八飛を選択。△8五金と歩を取ればそこで▲6五歩の味が抜群なので良し、取らなければ▲8八角から7筋の逆襲を狙う、という読み筋でしたが、局後の感想戦では△8五金▲6五歩△5五歩(変化図)の展開も難解ではないか、ということになりました。(GPS先生もほぼ互角という判断)
GPS先生の読み筋は▲7八飛に代えて▲2八玉で、この後も繰り返し▲2八玉をプッシュされていますw
▲7八飛に対しては△6三銀~△7五歩~△7二金と自然に駒組みを進めて後手やや指しやすい、というのがGPS先生の判断ですが、その間の先手の指し手がのんびり端歩を突いたりなので、どこまで信用していいのかは微妙なところ・・・。
●58手目△3五歩 形勢判断: やや自信なし GPS評価値:+1

6、7筋で小競り合いが続き、後手陣は形が乱れているものの先手の駒も押さえ込まれそうで、だんだん自信がなくなってきていました。そして「一本突くのが筋」といった感じの△3五歩。取るのは利かされっぽいし、かと言って取り込まれるのも・・・という悩ましいところです。
形勢がいいと思っていれば「自然な手を指していればいい」ということで堂々と▲同歩を選ぶのでしょうが、少し自信がなくなっているので本譜は▲1八玉と辛抱。少しでも遠い、堅い玉形にして勝負しようという意図ですが、GPS先生は△3五歩の局面での評価値はほぼ互角、そして▲1八玉を見て再び後手良しに戻りました。△3五歩は堂々と取れ、ということだったようです。
●77手目▲4三角 形勢判断:良しのはず? GPS評価値:-27

中盤のねじり合いの中で玉を固め、角を捌き、ようやく視界が開けてきたかと思っていましたが・・・GPS先生の評価値は未だに後手持ち。ただ、一時は-500を超えていたのが-300、-200・・・と徐々に接近はしてきていたようです。
局面は先手玉頭への継ぎ歩~垂れ歩攻めに対して▲3三角成△同桂と角を交換し、さてどこへ打つか、というところ。方針としては「1六や2六に馬を引きつけて手厚くする」か「玉頭攻めの脅威となる3三の桂や1一の香を取りに行く」ということになりますが、角の打ち場所の候補が5三、4三、4四、3四と非常に多くてかなり迷いました。一番魅力的に映ったのは▲4四角で、桂取りと▲5三角成(銀取り)~▲2六馬の狙いがあります。しかし▲4四角には△2四角(6八の飛車取り)▲6九飛△5二金(変化図)と受けられると狙いが両方消え、以下▲3四歩にも△4三金▲2六角△2五桂でうまくいきません。
そこで本譜は4三角を選択。金が逃げて▲1六角成が実現すれば手厚すぎるので後手は△5二角の一手(△2五角には▲3四歩)で、以下▲3二角成△2五桂▲3三馬でどうか・・・と読んでいました。ところが、きらりさんの指し手は△7一金。えっ、と思った数秒後、大変な勘違いをしていたことに気付きます。
▲1六角成には△2四角があるのか!飛車取りと△1五香の田楽刺しの両狙いがあり、いっぺんに将棋が終わってしまいます。▲4三角に17分使ったのは一体何だったんだ・・・とガックリしつつ、ここで長考したらうっかりがバレてしまう、と「一人心理戦」を展開し、△7一金に対し数分で▲3四角成。以下、△7九角▲6九飛△2四角成▲同馬△同歩に今度は▲4四角が厳しくなり、このあたりでGPS先生の評価値も先手良しに転じています。
GPS先生の読み筋では△7九角に代えて△8八角と打ち、▲6六歩から▲3三馬と桂を取られても△1二飛と回っておけば後手がやや指せている、という判断のようです。 しかしこれは後手にとって選びにくい順のような気がする・・・。
●99手目▲2六香 形勢判断:有利~優勢の間くらい GPS評価値:0

玉頭攻めを受け切れるかどうかという展開。攻めの要となる1一の香を取り切れたので後手の攻めは細そうですが、1六と3六の垂れ歩の存在感も大きく油断は禁物と思っていました。直前の攻防の中でちょっとしたうっかりから馬が消え(飛車との交換)、GPS先生の評価値も+100~200程度と僅差になっています。図の▲2六香は得した香を埋める手なのでもったいない感じもしないし、手堅くこれで問題ないだろうと思っていたのですが・・・GPS先生の推奨手は代えて▲2六歩△同角▲2七玉!(変化図)の順。形勢いいと思ってるんだからこんな順選べるかい!と思いましたが、しかし強い人はこれで勝てると見切って指すものなんでしょうか・・・。
▲2六香には△4四角打と溜めてから△1七歩成を見せれば完全に互角、というのがGPS先生の読み筋。これもまた打ちにくいように見えますが・・・。実戦は▲2六香△3七歩成▲同桂△1七歩成と進みましたが、やはり後手の攻めは少し細そうです。
●120手目△2六角 形勢判断:正確に指せれば勝ち GPS評価値:+868

後手の攻めが徐々に細くなり先手優勢がはっきりしてきますが、きらりさんも△1五銀とタダ捨てする勝負手を放つなど、一番嫌な迫り方を続けてきます。図は次に△1七角成が入るといっぺんに危なくなるのでどう対応するかというところ。ここでは左辺に逃げ込むのが確実と判断して、あまり考えずに「まあ、こう指すものだろう」と▲3九玉を指したのですが、GPS先生が評価値+868→+170と激怒!もちろん△3七香と打たれ、だいぶ差が縮まってしまったようです。
GPS先生の読み筋は ▲3九玉に代えて▲5三銀△同角上▲同桂成△同角▲5五桂(変化図)の攻め合い。受け一方ではなくどこかで反撃する味は残しておこう、と考えてはいたのですが、このタイミングで駒を渡して攻め合う発想は全く浮かびませんでした。銀桂の二枚を渡しても、△1七角成さえ消してしまえば攻め合い勝ちできる、ということのようです。なるほどなあ、と感心するしかありません。
差は縮まったもののリードは保ったまま最終盤へ。持ち時間はまだ30分以上残っていたので、慌てなければ大丈夫、のはずだったのですが。
● 128手目△1五角 形勢判断:先は長いが勝ち筋 GPS評価値:+233

△1五角と香を拾われたところ。現状、後手の攻め駒は1五の角と持駒の金香歩で3.5枚ですが、6二の角が働いてくると4枚の攻めになってしまい大変そうです。そこで第一感は角を働かせない▲5三銀だったのですが、 この銀が質駒になってしまうのと、△3六歩▲同金△3四香▲3五歩△同香▲同金△3七歩(変化図)のように絡まれるのが気になりました。(GPS先生曰く、△3四香に▲2六歩△同角▲同金△3七歩▲3五歩で先手良しとのこと。この変化手順は感想戦でも現れました。)
しばらく考えた末、▲1九香という手を思いつきます。角取りの先手で▲1七角成も防いでいるし、△1七歩と打つならそこで▲5三銀とすれば、今度は△3六歩の筋がない。そうだ、これがいいじゃないか。
・・・もしタイムマシンがあったなら、この時の自分に「本当にそれでいいのか、もう少し考えてごらん」と囁いてあげたいものです。そんな「天の声」があれば、10秒とかからずに▲1九香が「ココセ」だということに気付けていただろうと思います。
▲1九香に対し少考で△3七角成と切られた瞬間の衝撃は、言葉でどう表現していいのかわかりません。いや、正確には△3七角成と切る手自体は認識していたのですが、▲同竜に△3六歩があり得ないほど厳しい追撃になっていることをうっかりしていました。△3六歩に▲同竜は△3五香でザックリ。直前に取られていた香のことを失念していたのでした・・・。ここでのGPS先生の激怒っぷりは、冒頭の評価値の推移グラフを見ていただければ一目瞭然です。
以下は急転直下の終局。 1週間もかけて指し続けてきたのに、しかも▲1九香を打ったところで持ち時間は30分以上残っていたのに、こんな呆気ない終わり方を・・・と、自分が情けないやらきらりさんに申し訳ないやらでした。
対局を終えて
対局が始まる前は正直、「5時間もあれば大きな判断ミスはしなくなるだろうし、それなりの内容の将棋が指せるはず」と思っていました。・・・何ともあまちゃんでした。じぇじぇじぇでした。
まず、思っていたよりも読めなかったし長考もできませんでした。最後に消費時間付きの棋譜(106手目以降のyahoo将棋で指した部分は消費時間記録されず) を載せますが、一手に考えた時間の最長はきらりさんが30分(38手目△7五歩)、自分が19分(53手目▲6六歩)でした。急所の局面では30分でも1時間でも考えてやろうと思っていたものの、実際には10分以上考えてもわからなければ「筋」や「感覚」に頼り始めるケースが多かったように思います。一局を通して、形勢判断をする際にも「読み」より「感覚」重視でしたし、GPS先生の評価値と比較してみてもずいぶんと楽観している場面が多いことが明らかになりましたw
感覚よりも読みを重視するタイプのきらりさんですらも「あまり読めなかった」とのことだったので、単純に「持ち時間があればあるほどしっかり読めるようになる」わけではないのでしょう。体感的には、自分くらいのレベルだと30分と1時間なら多少は差が出そうだけど、1時間と2時間では読みの精度はあまり変わらなくなりそうな気がします。実際、長考していても同じ変化を何度も確認してしまったりしていて「ずいぶんもったいない時間の使い方だ」と思ったので・・・。やはり、5時間や6時間の持ち時間で指したり1手に1時間以上考えたりできるプロの先生方は偉大なんですね。
読みの浅さ、大局観の未熟さ、そして▲1九香の一手ばったりと自分の弱さが身に染みる一局でしたが、かなりの充実感もありました。これだけの持ち時間で、何日もかけて一局の将棋と向き合い続ける機会というのはアマチュアだとまず経験し得ないものでしょうし、その分だけ真剣勝負を楽しむこともできました。5時間で指すことはもうないかもしれませんが、1時間くらいで指す機会はたまーにあってもいいかなと思ってますw
企画に誘ってくださったきらりさんに感謝し、これらも一局入魂、一手入魂の気持ちを忘れずに指し続けていこうと思います。
対局の進め方ですが、実際にツイッターの画面を見ていただくのが一番わかりやすいと思います。

こんなふうに「○○手目の考慮開始 残り○時間○分」と書き込んでから盤面と睨めっこし、指し手が決まったら「○○手目 ▲○○○ 残り○時間○分」と書き込んで着手完了。相手の着手を確認したら再び自分の考慮を開始・・・という流れです。着手の消費時間は、考慮開始の書き込み時刻(日付のところにマウスカーソルを合わせると確認できる)と現在時刻を見比べて自分で計算する、という方法です。
よく見ると1手目の考慮開始時に残り5時間と書かれていますが、これが本企画最大の目玉。持ち時間は各5時間(切れ負け、考慮時間の秒単位は切り捨て)という、アマチュアであればまず経験し得ないであろう長い持ち時間での対局です。そしてツイッターでの対局という形にしたのは、それぞれが都合のいい時間に相手の着手を確認し、自分の着手をできるようにするためです。ツイッターを利用した「現代版の郵便将棋」と言えるでしょう。
さて、この条件下で指された将棋は一体どのようなものになったのか。まずは棋譜を貼ってから、ポイントの局面について「対局中の形勢判断」、「GPS先生の評価値」、「感想や変化手順等」を書いていきたいと思います。細かく色々書こうとすると途方もない量になりそうなので、ある程度ポイントを絞りつつ・・・。
GPS先生の評価値の推移はこちら。先手良しの部分と後手良しの部分が割と綺麗に分かれていますね。

●26手目△6四歩 形勢判断:互角 GPS評価値:-49

ここで最初の長考(14分)をしました。考えたのはもちろん、▲7四歩で一歩手持ちにするかどうか。いつもなら「どっちでも一局だし」で片付けてその時の気分で選ぶのですが、せっかく持ち時間5時間で指しているんだから少し考えてみるかな、という気になりました。
▲7四歩を突くことによるメリットは、もちろん「一歩を手持ちにできること」。ただし良いこと尽くしというわけではなく、▲7四歩△同歩▲同飛△6三金▲7八飛△7四歩のように進むと、後手も△7三銀から矢倉に組み替えたり△7三桂と跳ねたりすることができるようになります。▲7四歩を突かなければ△7三銀や△7三桂の余地はなく、またその一手を省略して攻撃陣の整備を進められるというメリットがありますが、一歩を手持ちにするという利は得られません。
今回は「後手は攻撃陣の整備にもうしばらく手数がかかりそう」という点に着目し、素早く先攻する展開を目指そうと考えて▲7四歩を突かずに▲8六歩を選択しました。序盤から惜しみなく時間を使えるというこの贅沢感。
●37手目▲7八飛 形勢判断:不満なし GPS評価値:-219

直前に△7四歩▲同歩△同金とB面攻撃を仕掛けられましたが、飛車が下段で目標になりにくい&6七銀型で角頭をカバーしているので「互角以上にはなるはず」というのが第一感でした。具体的にどう対応するかを考えた結果、「戦いが起こった筋に飛車」の▲7八飛を選択。△8五金と歩を取ればそこで▲6五歩の味が抜群なので良し、取らなければ▲8八角から7筋の逆襲を狙う、という読み筋でしたが、局後の感想戦では△8五金▲6五歩△5五歩(変化図)の展開も難解ではないか、ということになりました。(GPS先生もほぼ互角という判断)
GPS先生の読み筋は▲7八飛に代えて▲2八玉で、この後も繰り返し▲2八玉をプッシュされていますw
▲7八飛に対しては△6三銀~△7五歩~△7二金と自然に駒組みを進めて後手やや指しやすい、というのがGPS先生の判断ですが、その間の先手の指し手がのんびり端歩を突いたりなので、どこまで信用していいのかは微妙なところ・・・。
●58手目△3五歩 形勢判断: やや自信なし GPS評価値:+1

6、7筋で小競り合いが続き、後手陣は形が乱れているものの先手の駒も押さえ込まれそうで、だんだん自信がなくなってきていました。そして「一本突くのが筋」といった感じの△3五歩。取るのは利かされっぽいし、かと言って取り込まれるのも・・・という悩ましいところです。
形勢がいいと思っていれば「自然な手を指していればいい」ということで堂々と▲同歩を選ぶのでしょうが、少し自信がなくなっているので本譜は▲1八玉と辛抱。少しでも遠い、堅い玉形にして勝負しようという意図ですが、GPS先生は△3五歩の局面での評価値はほぼ互角、そして▲1八玉を見て再び後手良しに戻りました。△3五歩は堂々と取れ、ということだったようです。
●77手目▲4三角 形勢判断:良しのはず? GPS評価値:-27

中盤のねじり合いの中で玉を固め、角を捌き、ようやく視界が開けてきたかと思っていましたが・・・GPS先生の評価値は未だに後手持ち。ただ、一時は-500を超えていたのが-300、-200・・・と徐々に接近はしてきていたようです。
局面は先手玉頭への継ぎ歩~垂れ歩攻めに対して▲3三角成△同桂と角を交換し、さてどこへ打つか、というところ。方針としては「1六や2六に馬を引きつけて手厚くする」か「玉頭攻めの脅威となる3三の桂や1一の香を取りに行く」ということになりますが、角の打ち場所の候補が5三、4三、4四、3四と非常に多くてかなり迷いました。一番魅力的に映ったのは▲4四角で、桂取りと▲5三角成(銀取り)~▲2六馬の狙いがあります。しかし▲4四角には△2四角(6八の飛車取り)▲6九飛△5二金(変化図)と受けられると狙いが両方消え、以下▲3四歩にも△4三金▲2六角△2五桂でうまくいきません。
そこで本譜は4三角を選択。金が逃げて▲1六角成が実現すれば手厚すぎるので後手は△5二角の一手(△2五角には▲3四歩)で、以下▲3二角成△2五桂▲3三馬でどうか・・・と読んでいました。ところが、きらりさんの指し手は△7一金。えっ、と思った数秒後、大変な勘違いをしていたことに気付きます。
▲1六角成には△2四角があるのか!飛車取りと△1五香の田楽刺しの両狙いがあり、いっぺんに将棋が終わってしまいます。▲4三角に17分使ったのは一体何だったんだ・・・とガックリしつつ、ここで長考したらうっかりがバレてしまう、と「一人心理戦」を展開し、△7一金に対し数分で▲3四角成。以下、△7九角▲6九飛△2四角成▲同馬△同歩に今度は▲4四角が厳しくなり、このあたりでGPS先生の評価値も先手良しに転じています。
GPS先生の読み筋では△7九角に代えて△8八角と打ち、▲6六歩から▲3三馬と桂を取られても△1二飛と回っておけば後手がやや指せている、という判断のようです。 しかしこれは後手にとって選びにくい順のような気がする・・・。
●99手目▲2六香 形勢判断:有利~優勢の間くらい GPS評価値:0

玉頭攻めを受け切れるかどうかという展開。攻めの要となる1一の香を取り切れたので後手の攻めは細そうですが、1六と3六の垂れ歩の存在感も大きく油断は禁物と思っていました。直前の攻防の中でちょっとしたうっかりから馬が消え(飛車との交換)、GPS先生の評価値も+100~200程度と僅差になっています。図の▲2六香は得した香を埋める手なのでもったいない感じもしないし、手堅くこれで問題ないだろうと思っていたのですが・・・GPS先生の推奨手は代えて▲2六歩△同角▲2七玉!(変化図)の順。形勢いいと思ってるんだからこんな順選べるかい!と思いましたが、しかし強い人はこれで勝てると見切って指すものなんでしょうか・・・。
▲2六香には△4四角打と溜めてから△1七歩成を見せれば完全に互角、というのがGPS先生の読み筋。これもまた打ちにくいように見えますが・・・。実戦は▲2六香△3七歩成▲同桂△1七歩成と進みましたが、やはり後手の攻めは少し細そうです。
●120手目△2六角 形勢判断:正確に指せれば勝ち GPS評価値:+868

後手の攻めが徐々に細くなり先手優勢がはっきりしてきますが、きらりさんも△1五銀とタダ捨てする勝負手を放つなど、一番嫌な迫り方を続けてきます。図は次に△1七角成が入るといっぺんに危なくなるのでどう対応するかというところ。ここでは左辺に逃げ込むのが確実と判断して、あまり考えずに「まあ、こう指すものだろう」と▲3九玉を指したのですが、GPS先生が評価値+868→+170と激怒!もちろん△3七香と打たれ、だいぶ差が縮まってしまったようです。
GPS先生の読み筋は ▲3九玉に代えて▲5三銀△同角上▲同桂成△同角▲5五桂(変化図)の攻め合い。受け一方ではなくどこかで反撃する味は残しておこう、と考えてはいたのですが、このタイミングで駒を渡して攻め合う発想は全く浮かびませんでした。銀桂の二枚を渡しても、△1七角成さえ消してしまえば攻め合い勝ちできる、ということのようです。なるほどなあ、と感心するしかありません。
差は縮まったもののリードは保ったまま最終盤へ。持ち時間はまだ30分以上残っていたので、慌てなければ大丈夫、のはずだったのですが。
● 128手目△1五角 形勢判断:先は長いが勝ち筋 GPS評価値:+233

△1五角と香を拾われたところ。現状、後手の攻め駒は1五の角と持駒の金香歩で3.5枚ですが、6二の角が働いてくると4枚の攻めになってしまい大変そうです。そこで第一感は角を働かせない▲5三銀だったのですが、 この銀が質駒になってしまうのと、△3六歩▲同金△3四香▲3五歩△同香▲同金△3七歩(変化図)のように絡まれるのが気になりました。(GPS先生曰く、△3四香に▲2六歩△同角▲同金△3七歩▲3五歩で先手良しとのこと。この変化手順は感想戦でも現れました。)
しばらく考えた末、▲1九香という手を思いつきます。角取りの先手で▲1七角成も防いでいるし、△1七歩と打つならそこで▲5三銀とすれば、今度は△3六歩の筋がない。そうだ、これがいいじゃないか。
・・・もしタイムマシンがあったなら、この時の自分に「本当にそれでいいのか、もう少し考えてごらん」と囁いてあげたいものです。そんな「天の声」があれば、10秒とかからずに▲1九香が「ココセ」だということに気付けていただろうと思います。
▲1九香に対し少考で△3七角成と切られた瞬間の衝撃は、言葉でどう表現していいのかわかりません。いや、正確には△3七角成と切る手自体は認識していたのですが、▲同竜に△3六歩があり得ないほど厳しい追撃になっていることをうっかりしていました。△3六歩に▲同竜は△3五香でザックリ。直前に取られていた香のことを失念していたのでした・・・。ここでのGPS先生の激怒っぷりは、冒頭の評価値の推移グラフを見ていただければ一目瞭然です。
以下は急転直下の終局。 1週間もかけて指し続けてきたのに、しかも▲1九香を打ったところで持ち時間は30分以上残っていたのに、こんな呆気ない終わり方を・・・と、自分が情けないやらきらりさんに申し訳ないやらでした。
対局を終えて
対局が始まる前は正直、「5時間もあれば大きな判断ミスはしなくなるだろうし、それなりの内容の将棋が指せるはず」と思っていました。・・・何ともあまちゃんでした。じぇじぇじぇでした。
まず、思っていたよりも読めなかったし長考もできませんでした。最後に消費時間付きの棋譜(106手目以降のyahoo将棋で指した部分は消費時間記録されず) を載せますが、一手に考えた時間の最長はきらりさんが30分(38手目△7五歩)、自分が19分(53手目▲6六歩)でした。急所の局面では30分でも1時間でも考えてやろうと思っていたものの、実際には10分以上考えてもわからなければ「筋」や「感覚」に頼り始めるケースが多かったように思います。一局を通して、形勢判断をする際にも「読み」より「感覚」重視でしたし、GPS先生の評価値と比較してみてもずいぶんと楽観している場面が多いことが明らかになりましたw
感覚よりも読みを重視するタイプのきらりさんですらも「あまり読めなかった」とのことだったので、単純に「持ち時間があればあるほどしっかり読めるようになる」わけではないのでしょう。体感的には、自分くらいのレベルだと30分と1時間なら多少は差が出そうだけど、1時間と2時間では読みの精度はあまり変わらなくなりそうな気がします。実際、長考していても同じ変化を何度も確認してしまったりしていて「ずいぶんもったいない時間の使い方だ」と思ったので・・・。やはり、5時間や6時間の持ち時間で指したり1手に1時間以上考えたりできるプロの先生方は偉大なんですね。
読みの浅さ、大局観の未熟さ、そして▲1九香の一手ばったりと自分の弱さが身に染みる一局でしたが、かなりの充実感もありました。これだけの持ち時間で、何日もかけて一局の将棋と向き合い続ける機会というのはアマチュアだとまず経験し得ないものでしょうし、その分だけ真剣勝負を楽しむこともできました。5時間で指すことはもうないかもしれませんが、1時間くらいで指す機会はたまーにあってもいいかなと思ってますw
企画に誘ってくださったきらりさんに感謝し、これらも一局入魂、一手入魂の気持ちを忘れずに指し続けていこうと思います。
# ---- Kifu for Windows V7 V7.02 棋譜ファイル ----
持ち時間:各5時間
手合割:平手
先手:亀
後手:きらり
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 2:00/00:02:00)
2 3四歩(33) ( 2:00/00:02:00)
3 6六歩(67) ( 1:00/00:03:00)
4 4二銀(31) ( 2:00/00:04:00)
5 7八飛(28) ( 1:00/00:04:00)
6 5四歩(53) ( 2:00/00:06:00)
7 5八金(69) ( 2:00/00:06:00)
8 5三銀(42) ( 2:00/00:08:00)
9 6八銀(79) ( 3:00/00:09:00)
10 3三角(22) ( 3:00/00:11:00)
11 3八銀(39) ( 2:00/00:11:00)
12 2二飛(82) ( 4:00/00:15:00)
13 3六歩(37) ( 1:00/00:12:00)
14 6二玉(51) ( 1:00/00:16:00)
15 3七銀(38) ( 2:00/00:14:00)
16 7二銀(71) ( 1:00/00:17:00)
17 3八金(49) ( 1:00/00:15:00)
18 7一玉(62) ( 2:00/00:19:00)
19 6七銀(68) ( 2:00/00:17:00)
20 4四歩(43) ( 3:00/00:22:00)
21 4八玉(59) ( 2:00/00:19:00)
22 5二金(41) ( 1:00/00:23:00)
23 3九玉(48) ( 1:00/00:20:00)
24 4五歩(44) ( 3:00/00:26:00)
25 7五歩(76) ( 2:00/00:22:00)
26 6四歩(63) ( 1:00/00:27:00)
27 8六歩(87) (14:00/00:36:00)
28 4二飛(22) ( 2:00/00:29:00)
29 8五歩(86) ( 1:00/00:37:00)
30 6三金(52) ( 2:00/00:31:00)
31 7七角(88) ( 1:00/00:38:00)
32 8二玉(71) ( 7:00/00:38:00)
33 8八飛(78) ( 5:00/00:43:00)
34 7四歩(73) ( 3:00/00:41:00)
35 同 歩(75) (18:00/01:01:00)
36 同 金(63) ( 1:00/00:42:00)
37 7八飛(88) ( 1:00/01:02:00)
38 7五歩打 (30:00/01:12:00)
39 8八角(77) ( 3:00/01:05:00)
40 6三銀(72) ( 7:00/01:19:00)
41 7六歩打 (14:00/01:19:00)
42 7二飛(42) ( 4:00/01:23:00)
43 7五歩(76) ( 5:00/01:24:00)
44 同 金(74) (18:00/01:41:00)
45 8四歩(85) ( 5:00/01:29:00)
46 同 歩(83) ( 2:00/01:43:00)
47 6五歩(66) ( 4:00/01:33:00)
48 5五歩(54) ( 4:00/01:47:00)
49 6四歩(65) ( 5:00/01:38:00)
50 同 銀(53) ( 3:00/01:50:00)
51 2八玉(39) ( 6:00/01:44:00)
52 6五歩打 (28:00/02:18:00)
53 6六歩打 (19:00/02:03:00)
54 7六歩打 ( 8:00/02:26:00)
55 6五歩(66) ( 5:00/02:08:00)
56 同 銀(64) ( 1:00/02:27:00)
57 6八飛(78) ( 2:00/02:10:00)
58 3五歩(34) ( 8:00/02:35:00)
59 1八玉(28) (11:00/02:21:00)
60 6四歩打 ( 9:00/02:44:00)
61 7八歩打 (15:00/02:36:00)
62 1四歩(13) ( 7:00/02:51:00)
63 5六歩(57) ( 2:00/02:38:00)
64 1五歩(14) ( 3:00/02:54:00)
65 2八銀(37) ( 1:00/02:39:00)
66 9四歩(93) ( 1:00/02:55:00)
67 5五角(88) ( 5:00/02:44:00)
68 3六歩(35) ( 5:00/03:00:00)
69 4八金(58) ( 5:00/02:49:00)
70 1六歩(15) (12:00/03:12:00)
71 同 歩(17) ( 1:00/02:50:00)
72 1五歩打 ( 1:00/03:13:00)
73 同 歩(16) (15:00/03:05:00)
74 1六歩打 ( 1:00/03:14:00)
75 3三角成(55) ( 2:00/03:07:00)
76 同 桂(21) ( 1:00/03:15:00)
77 4三角打 (17:00/03:24:00)
78 7一金(61) (14:00/03:29:00)
79 3四角成(43) ( 3:00/03:27:00)
80 7九角打 ( 2:00/03:31:00)
81 6九飛(68) ( 2:00/03:29:00)
82 2四角成(79) ( 2:00/03:33:00)
83 同 馬(34) ( 1:00/03:30:00)
84 同 歩(23) ( 1:00/03:34:00)
85 4四角打 ( 2:00/03:32:00)
86 3二飛(72) (25:00/03:59:00)
87 8三歩打 (10:00/03:42:00)
88 7二玉(82) ( 1:00/04:00:00)
89 3四歩打 ( 2:00/03:44:00)
90 2五桂(33) ( 2:00/04:02:00)
91 1一角成(44) ( 5:00/03:49:00)
92 3四飛(32) ( 1:00/04:03:00)
93 3五歩打 ( 6:00/03:55:00)
94 同 飛(34) ( 1:00/04:04:00)
95 4四馬(11) ( 2:00/03:57:00)
96 6二角打 ( 1:00/04:05:00)
97 3五馬(44) (10:00/04:07:00)
98 同 角(62) ( 1:00/04:06:00)
99 2六香打 ( 1:00/04:08:00)
100 3七歩成(36) ( 3:00/04:09:00)
101 同 桂(29) ( 3:00/04:11:00)
102 1七歩成(16) ( 3:00/04:12:00)
103 同 銀(28) ( 1:00/04:12:00)
104 同 桂成(25) ( 3:00/04:15:00)
105 同 玉(18) ( 1:00/04:13:00)
106 3六歩打 ( 4:00/04:19:00)
107 4五桂(37) ( 0:00/04:13:00)
108 2五歩(24) ( 0:00/04:19:00)
109 2二飛打 ( 0:00/04:13:00)
110 6二角打 ( 0:00/04:19:00)
111 2五飛成(22) ( 0:00/04:13:00)
112 2四銀打 ( 0:00/04:19:00)
113 3四龍(25) ( 0:00/04:13:00)
114 2五歩打 ( 0:00/04:19:00)
115 2八玉(17) ( 0:00/04:13:00)
116 2六歩(25) ( 0:00/04:19:00)
117 同 歩(27) ( 0:00/04:13:00)
118 1五銀(24) ( 0:00/04:19:00)
119 同 香(19) ( 0:00/04:13:00)
120 2六角(35) ( 0:00/04:19:00)
121 3九玉(28) ( 0:00/04:13:00)
122 3七香打 ( 0:00/04:19:00)
123 3六龍(34) ( 0:00/04:13:00)
124 3八香成(37) ( 0:00/04:19:00)
125 同 龍(36) ( 0:00/04:13:00)
126 3七歩打 ( 0:00/04:19:00)
127 同 金(48) ( 0:00/04:13:00)
128 1五角(26) ( 0:00/04:19:00)
129 1九香打 ( 0:00/04:13:00)
130 3七角成(15) ( 0:00/04:19:00)
131 同 龍(38) ( 0:00/04:13:00)
132 3六歩打 ( 0:00/04:19:00)
133 2八龍(37) ( 0:00/04:13:00)
134 3七金打 ( 0:00/04:19:00)
135 6八龍(28) ( 0:00/04:13:00)
136 2六角(62) ( 0:00/04:19:00)
137 5七角打 ( 0:00/04:13:00)
138 3八金打 ( 0:00/04:19:00)
139 同 龍(68) ( 0:00/04:13:00)
140 同 金(37) ( 0:00/04:19:00)
141 同 玉(39) ( 0:00/04:13:00)
142 3七歩成(36) ( 0:00/04:19:00)
143 4九玉(38) ( 0:00/04:13:00)
144 4八飛打 ( 0:00/04:19:00)
145 5九玉(49) ( 0:00/04:13:00)
146 4七と(37) ( 0:00/04:19:00)
147 4八角(57) ( 0:00/04:13:00)
148 同 角成(26) ( 0:00/04:19:00)
149 投了 ( 0:00/04:13:00)
まで148手で後手の勝ち

コメント
コメント一覧 (2)
長時間に渡り対局していただきありがとうございました。あんなにワクワクした気持ちで指せたのは、いつかのリーグ戦以来のことかもしれません。
GPS先生の評価値に関しては、対局中に感じていた優劣判断と大体同じ感じだったと思います。ただ、もっと微差のところで動いていると思っていたんですが、結構大きく揺れ動いていたんですね。
>1時間くらいで指す機会はたまーにあってもいいかなと思ってますw
1時間だと今回のルールでは難しいかもしれないですね。秒単位を導入するか、封じ手1回ありで普通に指す、とかですかね。良ければいつかまたそれで指しましょうw
ツイッター対局の限界として、書き込むための時間があるのでノータイム指しが難しいことがあり、1時間切れ負けは確かに厳しそうだろうなと思います。持ち時間を使い切ったら1手2分以内(書き込みの時間も含めて)、等のルールであれば可能かもしれませんね。