もはや完全に諦めていた。目の前の一局に対する諦め。・・・そして、恐らく自分は予選リーグを通過できないであろうという諦め、覚悟。仕方がない、と思った。開幕からこれまで、全体的に内容が悪すぎた。これで予選を通過できるほど、世の中甘くはないだろう。そう考えると気持ちの整理はつく。
退路を断たれ風前の灯となった自玉を見つめているうちに、ふと受けの手が浮かんだ。攻防手っぽい雰囲気を醸し出してはいるけれど、それで形勢が好転するはずもないのは明らかだ。それでも、秒に追われて駒台の飛車を自陣に打ちつけた。わずかな逆転の可能性を信じて、なんてカッコいいものではない。 諦めていながら、それでも投げるに投げきれなくて打った、最高にカッコ悪い飛車打ちだった。
・・・そんなわけで、2月下旬になってから新年初のブログ投稿です。皆様明けましておめでとうございます><
年明け早々の1月2日から、24名人戦が始まりました。今月上旬に予選リーグが終わり、現在は本選リーグが行われています。
予選リーグはいきなり3連敗スタートになってしまいました。開幕局で簡単な詰みを逃して負けると、2局目は全く将棋にならずボロボロ、3局目は会心の将棋になるはずが終盤の一手バッタリで逆転負け・・・というどうしようもない流れ。その後は3連勝で五分に戻しましたが、勝ち星が先行することは一度もなく、とにかく苦しい戦いが続きました。
予選では全部で11局指しましたが、その中で内容的に納得できる勝ちは1局だけです(対穴熊で馬を自陣に引きつけて鉄壁にし、と金攻めを間に合わせた)。その他の勝ちは必敗形からの逆転がほとんどで、らしいと言えばらしいのかもしれません。
予選の最終局も必敗形から信じられないような逆転勝ちで、文字通り「ギリギリ滑り込む」ような形で予選通過を果たすことができました。狼から出場した他のメンバー(きらりさん、茉麻さん、リンリンさん)も全員予選を通過できたようで、最高の結果となりました。
以下、数々の必敗形たち。これが全部逆転したんだから、改めて将棋の怖さを思い知らされます。
必敗形①は銀香損の上に相手の攻め駒は急所に利いており、厳しい端攻めまで入っているという状況。どうやったって勝てる理屈はないのですが、相手にミスや逸機が続いて玉が逃げ出す形になり、相手玉にも少しずつ嫌味をつけていたらやがて逆転してしまいました。
必敗図②は予選最終局。▲4二銀と縛られ、後手玉は▲5四桂△同金▲7三金の詰めろ。ここで冒頭のモノローグへと繋がります。実戦の進行はここから△5四飛▲4五玉△3八竜。そこで▲3七歩と止められるくらいでも指す手がないのですが実戦は▲7三金と決めに来られ、△同銀▲同角成△同金▲同銀成△同玉▲8三金△7四玉▲7三金打△6四玉(逆転図②)で後手玉が詰まず大逆転となりました。結果的に、もしこの将棋を負けていたら予選落ちになっていました。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」と安西先生は言いますが、それは「一度取った点数が減ることはない」バスケでの話。マイナスの手が溢れている将棋という特殊なゲームでは、自分が諦めているのに相手のミスで勝ちが転がり込んでくる、ということも普通に起こり得るのだと気付かされました。
さて、本来は指せなかったはずの本選リーグ。ボーナスステージだと思って、力を抜いて楽しもうという気持ちで開幕を迎えました。そして2勝1敗で迎えた4局目、つい先ほど指した将棋です。
必敗図③は先手番で、▲6七銀として金を補充すれば後手玉に▲7一角△同玉▲6一歩成以下の詰めろがかかり、それまで、という状況。▲6七銀を見て投了するつもりでいたのですが、実戦は▲6七金!とこちらで取ったため事件になりました。
▲6七金以下△7八飛成▲同玉△6七歩成▲同玉△5七桂成▲7八玉△6七成桂▲同玉△4七飛(逆転図③)。4四の馬を抜けば自玉の詰めろが消えます。実戦は△4七飛に▲7八玉と逃げたので、△6七金▲8九玉△7八銀▲9八玉△8七銀成▲同玉△7七金以下、一気に詰みとなりました。
これからもこの調子で・・・と言いたいところですが、さすがに必敗になりすぎなので何とかしたほうが良さそうですね。
退路を断たれ風前の灯となった自玉を見つめているうちに、ふと受けの手が浮かんだ。攻防手っぽい雰囲気を醸し出してはいるけれど、それで形勢が好転するはずもないのは明らかだ。それでも、秒に追われて駒台の飛車を自陣に打ちつけた。わずかな逆転の可能性を信じて、なんてカッコいいものではない。 諦めていながら、それでも投げるに投げきれなくて打った、最高にカッコ悪い飛車打ちだった。
・・・そんなわけで、2月下旬になってから新年初のブログ投稿です。皆様明けましておめでとうございます><
年明け早々の1月2日から、24名人戦が始まりました。今月上旬に予選リーグが終わり、現在は本選リーグが行われています。
予選リーグはいきなり3連敗スタートになってしまいました。開幕局で簡単な詰みを逃して負けると、2局目は全く将棋にならずボロボロ、3局目は会心の将棋になるはずが終盤の一手バッタリで逆転負け・・・というどうしようもない流れ。その後は3連勝で五分に戻しましたが、勝ち星が先行することは一度もなく、とにかく苦しい戦いが続きました。
予選では全部で11局指しましたが、その中で内容的に納得できる勝ちは1局だけです(対穴熊で馬を自陣に引きつけて鉄壁にし、と金攻めを間に合わせた)。その他の勝ちは必敗形からの逆転がほとんどで、らしいと言えばらしいのかもしれません。
予選の最終局も必敗形から信じられないような逆転勝ちで、文字通り「ギリギリ滑り込む」ような形で予選通過を果たすことができました。狼から出場した他のメンバー(きらりさん、茉麻さん、リンリンさん)も全員予選を通過できたようで、最高の結果となりました。
以下、数々の必敗形たち。これが全部逆転したんだから、改めて将棋の怖さを思い知らされます。
必敗形①は銀香損の上に相手の攻め駒は急所に利いており、厳しい端攻めまで入っているという状況。どうやったって勝てる理屈はないのですが、相手にミスや逸機が続いて玉が逃げ出す形になり、相手玉にも少しずつ嫌味をつけていたらやがて逆転してしまいました。
必敗図②は予選最終局。▲4二銀と縛られ、後手玉は▲5四桂△同金▲7三金の詰めろ。ここで冒頭のモノローグへと繋がります。実戦の進行はここから△5四飛▲4五玉△3八竜。そこで▲3七歩と止められるくらいでも指す手がないのですが実戦は▲7三金と決めに来られ、△同銀▲同角成△同金▲同銀成△同玉▲8三金△7四玉▲7三金打△6四玉(逆転図②)で後手玉が詰まず大逆転となりました。結果的に、もしこの将棋を負けていたら予選落ちになっていました。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」と安西先生は言いますが、それは「一度取った点数が減ることはない」バスケでの話。マイナスの手が溢れている将棋という特殊なゲームでは、自分が諦めているのに相手のミスで勝ちが転がり込んでくる、ということも普通に起こり得るのだと気付かされました。
さて、本来は指せなかったはずの本選リーグ。ボーナスステージだと思って、力を抜いて楽しもうという気持ちで開幕を迎えました。そして2勝1敗で迎えた4局目、つい先ほど指した将棋です。
必敗図③は先手番で、▲6七銀として金を補充すれば後手玉に▲7一角△同玉▲6一歩成以下の詰めろがかかり、それまで、という状況。▲6七銀を見て投了するつもりでいたのですが、実戦は▲6七金!とこちらで取ったため事件になりました。
▲6七金以下△7八飛成▲同玉△6七歩成▲同玉△5七桂成▲7八玉△6七成桂▲同玉△4七飛(逆転図③)。4四の馬を抜けば自玉の詰めろが消えます。実戦は△4七飛に▲7八玉と逃げたので、△6七金▲8九玉△7八銀▲9八玉△8七銀成▲同玉△7七金以下、一気に詰みとなりました。
これからもこの調子で・・・と言いたいところですが、さすがに必敗になりすぎなので何とかしたほうが良さそうですね。
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