竜宮城へ行っている間に10ヶ月が経っていたようです(前回ブログを書いたのが2月)。
もう年末ということで、書きかけになっていた名人戦も含めて今年一年を簡単に振り返りたいと思います。
●24名人戦
今年は狼からきらりさん、茉麻さん、リンリンさん、自分の4人が出場し、賑やかになりました。自分は15人の六段bリーグに入ることになりましたが、対戦相手のR点は普段指している時とあまり変わらず、それなりの調子を維持できれば予選突破も十分に狙えそうな雰囲気でした。
・・・が、開幕からいきなり3連敗。それでもその後は3連勝で五分に戻し、あとは勝ったり負けたりの展開で、最終的には5勝6敗でギリギリ予選通過できました。最後の一局は必敗形からの逆転勝ちで、結果的にはもし負けていたら予選落ちだった、という状況です。きらりさん、茉麻さん、リンリンさんは危なげない戦いぶりで、晴れて4人揃って予選通過することができました。
2月の記事でも書いたように、本選はボーナスステージと思って楽しもう、という気持ちで臨んだのですが、指し手を見ると全体的に力が入ってしまっていたように思います。もちろん相手も強敵揃いなので一筋縄ではいかないのですが、相手がどうこうの前に自分で勝手に変な手を指して勝手に転んでるなあ・・・というのが、最近になって改めて棋譜を並べた時の感想です。終盤の4連敗などもあり、最終結果は7勝11敗でタイトル獲得はなりませんでした。
きらりさんは出だしの連敗が響いてしまい、そこから追い上げましたがわずかな差でタイトルには届かず。茉麻さんとリンリンさんは本選でも安定した戦いぶりで、それぞれ「獅子」と「象」のタイトルを獲得されました。
第20期24名人戦 記録(まとめサイト)
●リレー将棋
既に安倍さんが自戦記を書かれているので、詳細はそちらをご参照ください。ここでは個人的な反省点をメインに書きたいと思います。
・第1局
矢倉の脇システムから、ぶつかっている角をかわして端棒銀にスイッチする、という作戦。昔、あるホームページでsyunaidarさんが得意にしている指し方として紹介されていて(形や手順は本局と少し違いますが)、たまたま頭の片隅に残っていました。
30手目時点の作戦会議で、もし相手が玉側の端歩を受けたらこういう指し方もあるかも、と軽く提案してみたのですが、どんぴしゃでその形に進み、してやったりという感じでした。しかも相手からはすぐに仕掛けが来なそうな形で、ほぼ確実に端棒銀で先攻できるので、駒組みの時点でかなりの大差になったのではと思ったくらいです。しかし相手も上手く対応し、模様はいいものの明快な決め手は与えてくれません。
第1図は▲5二銀と反撃に転じられた局面。普段から矢倉を指されている方であれば、この▲5二銀や▲4一銀といった打ち込みへの対応も手慣れているのだと思いますが、ここで応手を誤ってしまいました。
第1図以下△7二飛▲ 4三銀成△同金▲2四歩△同銀▲同角△同歩▲2五歩(第2図)
第1図では△5三金▲4一銀成と進め、角を取らせて指すのが勝ったようです。4二の角は遊んでいるので、持駒の銀との交換ならそこまで腹も立たない、という理屈。ただ、△5三金▲4一銀成から▲4二成銀と取られた時、△同銀と△同金のどちらも2筋が薄くなって味が悪いし、形良く取ろうと▲4一銀成に△4三金寄と戻るのはさすがに利かされすぎかな、という思いもあり、この順を見送ってしまいました。
もう一つ、一時的に▲4三銀成△同金と形が乱れても、一回△3二金と埋め直すくらいの余裕はあるだろう、と思っていたこともあり、本譜の△7二飛を選んでしまいました。 その△3二金と埋める隙を与えない、▲2四歩からの猛攻を軽視してしまっていたのも、矢倉の経験値が足りなかったと言わざるを得ません。
この後、相手の緩手と4将リンリンさんの追い込みもあり、 チャンスが来たかと思われる局面もありましたが、最後は寄せ切られてしまい黒星スタート。序盤は理想的な展開でしたが、自身の矢倉経験値の少なさ、感覚の悪さが響いてしまいました。
・第2局
今回は相振りの戦型選択。相手の1将の棋譜を見て、浮き飛車(7六の飛車)を矢倉囲いで圧迫していく展開が有力と判断したのですが、▲7四歩△同歩▲同飛の歩交換の後に▲7八飛と深く引かれてしまい、2局連続の「序盤でしてやったり」とはなりませんでした。そして2将の自分のところで先攻されます。
第3図は△4四角の桂取りを▲8六角と受けたところ。ここは△7五歩がぴったりで先手も攻め切るのは容易ではない形でしたが、対局中は見えておらず△6五歩と取りました。これでも受け止められると考えていたのですが・・・。
第3図以下△6五歩▲同銀△同銀▲同桂△6四銀▲7三歩△8二金▲5三桂成(第4図)
▲5三桂成が好手。第3図で△6五歩と取るときに▲5三桂成という手自体は認識していたのですが、このタイミングで成り捨てられるのだけがすっぽりと抜け落ちてしまっていました。
▲5三桂成に△同玉は▲6五歩。△同金は▲6四角△同銀▲同飛が十字飛車。△同銀は▲6四歩。いずれも後手陣はもちません。そこで本譜は△同角と取りましたが、▲6五歩△7五銀▲同角△同角▲6四銀とシンプルに攻められ、やはり厳しい状況です。後手は1~3筋の歩が伸びておらず、先手の美濃囲いに対して嫌味をつける場所がありません。
しかしその後、先手も最善の寄せを逃し、 3将の安倍さんの粘りもあり、際どい終盤戦に。最後は4将の茉麻さんが、自玉の詰めろが消えた一瞬の隙をついて鋭く寄せ切り、見事な逆転勝ちとなりました。自分のミスを仲間にカバーしてもらえる、それもまたリレーの醍醐味の一つなのだと実感しました。
・第3局
スケジュール管理ができておらず、対局日が決まった後でその日の夕方から夜にかけて外せない用事が入っていたのを思い出すという痛恨のミス。用事が終わるのが夜9時頃ということで、急遽しまさんに出場をお願いすることになりました。しまさんにとっては寝耳に水な話になってしまい申し訳なかったです。
戦型は第2局に続いて相振り。 中盤はこちらの玉頭での勢力争いが焦点になりました。歩の拠点は作られているものの、相手の金駒が攻めに参加していないのでどうか、と思っていましたが、大駒を切ってシンプルに食らいつく攻めが思いのほか厳しく、辛抱を強いられる展開となります。3将の安倍さん、4将の茉麻さんと粘り強く指し続け、相手も決して最善手の連続ではなかったと思いますが、形勢はなかなか好転しません。
第5図は最終盤、▲5三金の王手に△3一玉と逃げた局面。▲4三金は△同飛が△2八金までの詰めろになりワンチャンスだし(▲3二銀△同玉▲2三金で詰みそうではありますが)、▲4九銀なら△2五歩とプレッシャーをかけておいてどうか、と思っていました。
狼軍にとって不運だったのは、△3一玉がちょうど120手目で作戦会議になってしまったこと。 第5図から▲2四歩が紛れをなくす冷静な決め手で、以下△同飛▲4三金となってはっきりしてしまいました。
惜しくも予選通過は果たせず。個人的にはここ何年か不本意な内容が多くなってしまっており、申し訳ないところです。精神的には比較的良い状態で臨めているので、純粋に実力不足ということでしょう。
リレー将棋 棋譜(まとめサイト)
●その後
リレーの後は将棋を指す余裕があまりなく、しばらく遠ざかっていました。今月になって少し余裕が出てきたので、24での対局を再開しています。
それと「将棋ウォーズ」も始めました。10切れや3切れ、10秒将棋は続けていると将棋が雑になってしまうと思い敬遠していたのですが、検討盤できらりさんや茉麻さんが将棋ウォーズの話をしているのを聞いているうちに 、ちょっとやってみようかな、という気持ちに。将棋が雑にならないように、24でもバランス良く指しながら楽しめればと思います。
12/20現在、14級で レーダーチャートはこんな状態。
もっとトゲトゲしたチャートになると思っていましたが、予想外にバランスがとれていました。とりあえずは区切りとして初段を目指しつつ、その後も段位を上げながら終盤力を今の水準で保っていければと思っています。
24のほうでは、まだ五段で安定しているとは言えない状態なので、 常時2300点台後半~2400点台を維持できるくらいになるのが目標でしょうか。根本的に今年は将棋に費やす時間が少なくなってしまったので(ブログ書いたのも2回だったし)、来年はもう少し増やすようにしたいところです。
今年も一年間、皆様と一緒に楽しく過ごさせて頂くことができました。ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
もう年末ということで、書きかけになっていた名人戦も含めて今年一年を簡単に振り返りたいと思います。
●24名人戦
今年は狼からきらりさん、茉麻さん、リンリンさん、自分の4人が出場し、賑やかになりました。自分は15人の六段bリーグに入ることになりましたが、対戦相手のR点は普段指している時とあまり変わらず、それなりの調子を維持できれば予選突破も十分に狙えそうな雰囲気でした。
・・・が、開幕からいきなり3連敗。それでもその後は3連勝で五分に戻し、あとは勝ったり負けたりの展開で、最終的には5勝6敗でギリギリ予選通過できました。最後の一局は必敗形からの逆転勝ちで、結果的にはもし負けていたら予選落ちだった、という状況です。きらりさん、茉麻さん、リンリンさんは危なげない戦いぶりで、晴れて4人揃って予選通過することができました。
2月の記事でも書いたように、本選はボーナスステージと思って楽しもう、という気持ちで臨んだのですが、指し手を見ると全体的に力が入ってしまっていたように思います。もちろん相手も強敵揃いなので一筋縄ではいかないのですが、相手がどうこうの前に自分で勝手に変な手を指して勝手に転んでるなあ・・・というのが、最近になって改めて棋譜を並べた時の感想です。終盤の4連敗などもあり、最終結果は7勝11敗でタイトル獲得はなりませんでした。
きらりさんは出だしの連敗が響いてしまい、そこから追い上げましたがわずかな差でタイトルには届かず。茉麻さんとリンリンさんは本選でも安定した戦いぶりで、それぞれ「獅子」と「象」のタイトルを獲得されました。
第20期24名人戦 記録(まとめサイト)
●リレー将棋
既に安倍さんが自戦記を書かれているので、詳細はそちらをご参照ください。ここでは個人的な反省点をメインに書きたいと思います。
・第1局
矢倉の脇システムから、ぶつかっている角をかわして端棒銀にスイッチする、という作戦。昔、あるホームページでsyunaidarさんが得意にしている指し方として紹介されていて(形や手順は本局と少し違いますが)、たまたま頭の片隅に残っていました。
30手目時点の作戦会議で、もし相手が玉側の端歩を受けたらこういう指し方もあるかも、と軽く提案してみたのですが、どんぴしゃでその形に進み、してやったりという感じでした。しかも相手からはすぐに仕掛けが来なそうな形で、ほぼ確実に端棒銀で先攻できるので、駒組みの時点でかなりの大差になったのではと思ったくらいです。しかし相手も上手く対応し、模様はいいものの明快な決め手は与えてくれません。
第1図は▲5二銀と反撃に転じられた局面。普段から矢倉を指されている方であれば、この▲5二銀や▲4一銀といった打ち込みへの対応も手慣れているのだと思いますが、ここで応手を誤ってしまいました。
第1図以下△7二飛▲ 4三銀成△同金▲2四歩△同銀▲同角△同歩▲2五歩(第2図)
第1図では△5三金▲4一銀成と進め、角を取らせて指すのが勝ったようです。4二の角は遊んでいるので、持駒の銀との交換ならそこまで腹も立たない、という理屈。ただ、△5三金▲4一銀成から▲4二成銀と取られた時、△同銀と△同金のどちらも2筋が薄くなって味が悪いし、形良く取ろうと▲4一銀成に△4三金寄と戻るのはさすがに利かされすぎかな、という思いもあり、この順を見送ってしまいました。
もう一つ、一時的に▲4三銀成△同金と形が乱れても、一回△3二金と埋め直すくらいの余裕はあるだろう、と思っていたこともあり、本譜の△7二飛を選んでしまいました。 その△3二金と埋める隙を与えない、▲2四歩からの猛攻を軽視してしまっていたのも、矢倉の経験値が足りなかったと言わざるを得ません。
この後、相手の緩手と4将リンリンさんの追い込みもあり、 チャンスが来たかと思われる局面もありましたが、最後は寄せ切られてしまい黒星スタート。序盤は理想的な展開でしたが、自身の矢倉経験値の少なさ、感覚の悪さが響いてしまいました。
・第2局
今回は相振りの戦型選択。相手の1将の棋譜を見て、浮き飛車(7六の飛車)を矢倉囲いで圧迫していく展開が有力と判断したのですが、▲7四歩△同歩▲同飛の歩交換の後に▲7八飛と深く引かれてしまい、2局連続の「序盤でしてやったり」とはなりませんでした。そして2将の自分のところで先攻されます。
第3図は△4四角の桂取りを▲8六角と受けたところ。ここは△7五歩がぴったりで先手も攻め切るのは容易ではない形でしたが、対局中は見えておらず△6五歩と取りました。これでも受け止められると考えていたのですが・・・。
第3図以下△6五歩▲同銀△同銀▲同桂△6四銀▲7三歩△8二金▲5三桂成(第4図)
▲5三桂成が好手。第3図で△6五歩と取るときに▲5三桂成という手自体は認識していたのですが、このタイミングで成り捨てられるのだけがすっぽりと抜け落ちてしまっていました。
▲5三桂成に△同玉は▲6五歩。△同金は▲6四角△同銀▲同飛が十字飛車。△同銀は▲6四歩。いずれも後手陣はもちません。そこで本譜は△同角と取りましたが、▲6五歩△7五銀▲同角△同角▲6四銀とシンプルに攻められ、やはり厳しい状況です。後手は1~3筋の歩が伸びておらず、先手の美濃囲いに対して嫌味をつける場所がありません。
しかしその後、先手も最善の寄せを逃し、 3将の安倍さんの粘りもあり、際どい終盤戦に。最後は4将の茉麻さんが、自玉の詰めろが消えた一瞬の隙をついて鋭く寄せ切り、見事な逆転勝ちとなりました。自分のミスを仲間にカバーしてもらえる、それもまたリレーの醍醐味の一つなのだと実感しました。
・第3局
スケジュール管理ができておらず、対局日が決まった後でその日の夕方から夜にかけて外せない用事が入っていたのを思い出すという痛恨のミス。用事が終わるのが夜9時頃ということで、急遽しまさんに出場をお願いすることになりました。しまさんにとっては寝耳に水な話になってしまい申し訳なかったです。
戦型は第2局に続いて相振り。 中盤はこちらの玉頭での勢力争いが焦点になりました。歩の拠点は作られているものの、相手の金駒が攻めに参加していないのでどうか、と思っていましたが、大駒を切ってシンプルに食らいつく攻めが思いのほか厳しく、辛抱を強いられる展開となります。3将の安倍さん、4将の茉麻さんと粘り強く指し続け、相手も決して最善手の連続ではなかったと思いますが、形勢はなかなか好転しません。
第5図は最終盤、▲5三金の王手に△3一玉と逃げた局面。▲4三金は△同飛が△2八金までの詰めろになりワンチャンスだし(▲3二銀△同玉▲2三金で詰みそうではありますが)、▲4九銀なら△2五歩とプレッシャーをかけておいてどうか、と思っていました。
狼軍にとって不運だったのは、△3一玉がちょうど120手目で作戦会議になってしまったこと。 第5図から▲2四歩が紛れをなくす冷静な決め手で、以下△同飛▲4三金となってはっきりしてしまいました。
惜しくも予選通過は果たせず。個人的にはここ何年か不本意な内容が多くなってしまっており、申し訳ないところです。精神的には比較的良い状態で臨めているので、純粋に実力不足ということでしょう。
リレー将棋 棋譜(まとめサイト)
●その後
リレーの後は将棋を指す余裕があまりなく、しばらく遠ざかっていました。今月になって少し余裕が出てきたので、24での対局を再開しています。
それと「将棋ウォーズ」も始めました。10切れや3切れ、10秒将棋は続けていると将棋が雑になってしまうと思い敬遠していたのですが、検討盤できらりさんや茉麻さんが将棋ウォーズの話をしているのを聞いているうちに 、ちょっとやってみようかな、という気持ちに。将棋が雑にならないように、24でもバランス良く指しながら楽しめればと思います。
12/20現在、14級で レーダーチャートはこんな状態。
もっとトゲトゲしたチャートになると思っていましたが、予想外にバランスがとれていました。とりあえずは区切りとして初段を目指しつつ、その後も段位を上げながら終盤力を今の水準で保っていければと思っています。
24のほうでは、まだ五段で安定しているとは言えない状態なので、 常時2300点台後半~2400点台を維持できるくらいになるのが目標でしょうか。根本的に今年は将棋に費やす時間が少なくなってしまったので(ブログ書いたのも2回だったし)、来年はもう少し増やすようにしたいところです。
今年も一年間、皆様と一緒に楽しく過ごさせて頂くことができました。ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。