狼将棋のブログ

2016年03月

またしても終盤の詰む詰まない問題が実戦で出たのでこちらに出しておきます。
【図は△1四歩まで】
後手の持駒:飛 金 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・ 歩 とv金 ・v銀 ・|三
|v歩 歩 ・ ・v歩 ・ ・v歩v歩|四
| ・ ・ ・v歩v角 ・v歩 ・ 銀|五
| 歩 ・v歩 ・ ・ ・v桂 歩 玉|六
| 角v歩 ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・|七
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| ・ 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 桂 香 歩四 
手数=116  △1四歩  まで

ここから▲1一銀△3三玉▲4三と△同玉▲4一飛成△4二歩とした局面が下図。
【図は△4二歩まで】
後手の持駒:飛 金 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ 龍 ・ ・ 銀|一
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v金 ・ ・|二
| ・ ・ ・ 歩 ・v玉 ・v銀 ・|三
|v歩 歩 ・ ・v歩 ・ ・v歩v歩|四
| ・ ・ ・v歩v角 ・v歩 ・ 銀|五
| 歩 ・v歩 ・ ・ ・v桂 歩 玉|六
| 角v歩 ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・|七
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| ・ 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 桂 香 歩四 
手数=122  △4二歩  まで

ここからやはり後手玉に詰みがあります。
弊社計測では最短で23手のようですが、実際のところはよくわかりません。

正解は月明けぐらいに。
また、もし解けたという方は問題図で△4二金打とした場合の先手の勝ち筋を考えてみてください。

検討でやったものの忘れちゃったので、できればコメント欄にこっそりとお願いします。。。 
 

(2016/4/9追記 正解を続きに書きました)続きを読む

年明けから始まった24名人戦、4週間の本選リーグが閉幕して全日程終了となりました(名人を決める戦いはまだ続いています)。長いようで短いようで、でもやっぱり長い2ヶ月だったと思います。

後半2週の戦績は●●○●○○○○で5勝3敗。前半と合わせると6勝10敗でした。
タイトル絡みの結果は・・・上位10名の「龍王」、下位のうちの最多対局賞「名将」、いずれも手は届かず。このタイトル争いについては少しだけドラマがあったのですが、後で触れたいと思います。


後半戦で最も印象に残っている一局・・・といえば、迷わずにこれを挙げます。最後の4連勝のうち、最初の1勝目になった将棋です。

【第1図は▲5三角まで】
後手:kame1223
後手の持駒:銀 歩六 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v金 ・ ・ ・ 龍v桂v香|一
| ・v玉v銀 歩 ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v桂 ・ 角 ・ ・v歩 ・|三
| ・ ・v金 ・ ・v飛 ・ ・v歩|四
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 桂 ・ ・ 金 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 金 玉 銀 ・|八
| 香 ・ ・v角 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:銀 
手数=91  ▲5三角  まで

後手番

相振りの出だしから序盤で手得+好形を築いて作戦勝ちになるも、攻め始めた後に方針を一貫できず弱気な手を指してしまい、逆に苦しい展開になってしまいます。
第1図は終盤、▲5三角と打たれたところ。▲7一竜△同玉▲6一歩成以下の詰めろと飛車取りで部分的には厳しい手ですが、この瞬間は先手玉も危なそうな雰囲気なのでどうなるか、という状況です。

第1図以下△4七角成▲同金△4九銀▲4八玉△3八金▲5九玉△4一歩▲6一歩成△同銀▲7一角成△同玉▲5三角△6二角▲4四角成△6七歩成(第2図)

【第2図は△6七歩成まで】
後手:kame1223
後手の持駒:歩六 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v玉v銀 ・v歩 龍v桂v香|一
| ・ ・ ・v角 ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v桂 ・ ・ ・ ・v歩 ・|三
| ・ ・v金 ・ ・ 馬 ・ ・v歩|四
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 桂vと ・ 金 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 銀 ・|八
| 香 ・ ・ ・ 玉v銀 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:相手
先手の持駒:飛 金 銀 
手数=106  △6七歩成  まで


△4七角成~△4九銀と迫りますが▲4八玉とかわされ、そこで△5八金は▲3九玉で「打ち歩詰め」の形になります。それから自玉の詰めろを受けても▲4四角成で飛車を取られると、打ち歩詰め打開はおろか詰めろをかけることもできません。第1図の少し前にその事に気付いたので、負けになってるかなあと思いながら指していました。

それでも何かないかと必死に考えているうちに、△3八金と反対側から打つ手を思いつきます。▲5七玉なら△6七歩成▲同玉△4七飛成だし、▲5九玉なら自玉に一手の猶予ができれば△6七歩成が詰めろになる。そしてその一手の猶予は△4一歩と打てば得られるかもしれない。一気に心拍数が上がり始めました。
(ちなみにGPSは△4九銀▲4八玉に△5八銀成▲同玉△6七歩成で後手勝勢との判断。この順は見えなかった・・・)

本譜は△4一歩に▲6一歩成の利かしが見えておらず、さらに慌てます。 △6一同金▲4四角成は、次に▲7一銀から王手が続いて怖い形です(実際には、合駒の選択を間違えなければ逃れているようです)。

実戦の△6一同銀を選べば、第2図まではほぼ必然の手順。あとは後手玉が詰むかどうかですが、幸運にも詰みはありませんでした。リアル対局なら間違いなく手が震えまくっているような終盤戦で、観戦されていた茉麻さんにも見ていて面白かったと感想をいただけたのが嬉しい一局でした。


以下は今回の名人戦全体を振り返っての雑感になります。(長いので折り畳みます)

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